“コロナ・ショック”による不安定な相場が続いていますが、サテライトポートフォリオで積立投資している「ひふみ投信」の2020年3月次運用報告書が出ました。3月の騰落率は-2.4%、参考指数であるTOPIX(配当込み)の騰落率は-6.0%でした。純資産残高は3月31日段階で1092億円(前月は1121億円)、ひふみマザーファンドの純資産残高は6019億円(前月は6121億円)となりました。“コロナ・ショック”の初動だった2月に現金比率を過去最高の31%まで高めるなど機動力を生かした対策が功を奏し、参考指数に対して下落幅を少なく抑えるなど見事なディフェンスを発揮しました。
新型コロナウイルス感染が欧州から米国まで広がり、主要都市のロックダウン(都市封鎖)も続いています。今後の世界経済への悪影響も避けられそうにありません。こうした先行き悲観もあって3月の株式市場の酷いありさまでした。そうした中で「ひふみ投信」は下落をある程度抑えることに成功しています。2月末段階で現金比率を過去最高となる31%まで高めたことや、3月の下落局面での銘柄組入が成功しました。ファンドのコンセプトである“守りながらふやす”が実現できていると言えそうです。
運用報告書によると3月末段階での現金比率は20%となっており、引き続きポートフォリオの組み換えが進められているようです。新型コロナウイルスの問題は長引きそうですから、それに対応した銘柄選択が必要になります。最高運用責任者の藤野英人氏は、それを「with コロナ時代」の銘柄選択と名付け、次のように書いています。
コロナと共生する時代のことを、わたしは「with コロナ時代」と表現しています。with コロナ時代に対応する銘柄選択が重要であると考えています。「巣ごもり銘 柄」もしくは「非接触経済」というものです。具体的には在宅ワークを中心に 自宅にこもることを前提にした消費やITサービスが大きなテーマになっていくと思います。コロナの前と後では、それこそ社会構造や経済構造すらも大きく変わる可能性があります。そういった市場の前提条件の大きな変革というのは運用にとって危機であると同時に好機でもあります。こういった局面でどのように動くのかこそ、アクティブファンドの腕の見せ所でしょう。受益者の1人として、引き続き「ひふみ投信」の今後の動きを注視していきたいと思います。ちなみに「with コロナ時代」の投資戦略について日経新聞電子版に藤野さんのインタビューが掲載されています。
もしくは、メディカルや介護など、どのような環境でも変わらず、むしろ新型コロナウイルスがプラスにはたらくようなセクターや企業が評価されていくでしょう。通信会社、通信工事会社、テレワークを支援するIT企業、テイクアウトを中心とする飲食業、医薬品、医療機器、ゲーム関連、教育関連テクノロジーの会社などです。また今後、需要と供給が落ち込んでいく中で政府が財政支出を余儀なくされますが、公共投資、土木、5Gなどの通信環境支援企業、またはクラウドコンピューティングの需要などが注目を浴びるでしょう。
ウィズ・コロナ時代の投資戦略 藤野英人氏に聞く 相場急落前に現金比率増 「ひふみ」の危機対応力(「日経新聞」電子版)
さて、月次運用報告書に先立って発表された中間レポート恒例の組入れ銘柄紹介です。今回は兼松(8020)でした。いまさら説明も必要ないような老舗商社です。総合商社を組み入れるにしても三菱商事や三井物産といった財閥系ではなく、あえて兼松というのは非常にシブい選択だと、ちょっとびっくりしました。ただ、電子・デバイスセグメントに注目しているわけですから、やはり「ひふみ投信」として注目するAI、IoT、5G関連銘柄ということでしょう。なかなか興味深いです。
【ご参考】
ひふみ投信は、銀行や証券会社といった販売会社を通さない直販ファンドです。ネットから無料で口座を開設することができます。⇒ひふみ投信
ひふみ投信と同じマザーファンドに投資する「ひふみプラス」はSBI証券 、auカブコム証券、楽天証券、マネックス証券など主要ネット証券や地方銀行などで買うことができます。
また、ひふみ投信と同じマザーファンドに投資する確定拠出年金専用ファンド「ひふみ年金」がSBI証券、イオン銀行、松井証券、マネックス証券などの個人型確定拠出年金(iDeCo)プランでラインアップされています。SBI証券、イオン銀行、松井証券、マネックス証券のiDeCoはいずれも運営管理手数料が無料であり、低コストなインデックスファンドをそろえた商品ラインアップも良心的。iDeCoの選択肢として最有力です。こちらもネットから無料で簡単に資料請求できます。⇒SBI証券確定拠出年金プラン、イオン銀行確定拠出年金プラン、松井証券確定拠出年金プラン
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