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2019年12月18日

新興国株式は出遅れを取り戻せるか―「iTrust世界株式」の2019年11月の運用成績



サテライトポートフォリオで少しだけ積立投資しているピクテ投信投資顧問の低コストアクティブファンド「iTrust世界株式」の2019年11月次運用報告が出たので定例ウオッチです。「iTrust世界株式」の11月の騰落率は+3.52%、参考指数であるMSCIワールド・インデックス(ネット配当込み)の騰落率は+3.68%でした。残念ながら前月に続いて参考指数をわずかにアンダーパフォームしています。ただ、相場自体は堅調が続いています。とくに米国株が当初の見通し以上に強い。逆に出遅れているのが新興国株です。はたして新興国株は出遅れを取り戻せるのでしょうか。

11月は月初から米中貿易協議が部分的にでも合意に至るのではという期待感から強い相場となりました。月中には一時的に楽観論が応対したりもしたのですが、大きな流れとしては期待感が大きく、市場のマインドが改善しています。とくに強かったのが米国株です。史上最高値を更新しました。

「iTrust」シリーズの受益者に配信される機関投資家向けレポート「Barometer」12月号によると、ピクテの米国景気先行指数も1年ぶりに改善していることから、これまでのアンダーウエイトを解消してニュートラルのポジションを推奨しています。ただ、依然として割高感があることから強気のポジションを取るまでには至っていません。

一方、大きく出遅れているのが新興国株式です。とくに中国は景気対策に大きな動きがありません。なんでも豚コレラ蔓延で国内の食肉価格が高騰し、これが物価を大きく押し上げているため、さらにインフレを刺激する可能性がある景気対策を取りづらいそうです。まさか豚コレラが経済政策に影響するとは驚き。やはり中国は奥が深い。

ただ、新興国株式が出遅れているということは、見方を変えれば今後の期待が大きいということでもあります。このためピクテも新興国株式、新興国債券ともにオーバーウエイトを推奨しました。もっとも新興国の中身は二極化が進んでいることに注意を促しています。ブラジル、台湾、インドの株式は割高感がある一方、ポーランド、トルコ、チリの株式はバリュエーションが割安です。このあたりの見極めがポイントかもしれません。

そして引き続き世界貿易をめぐる状況が突如として変化するリスクは無視できません。このためピクテは米国債をオーバーウエイトすることで新興国資産に“保険”を掛けることの重要性を指摘しています。なんとなく相場が好転しているのですが、基本的に慎重姿勢を継続することが重要になりそうです。

【ご参考】
ピクテ投信投資顧問の「iTrust」シリーズはネット証券を含む販売会社で購入できるほか、「iTrust世界株式」と「iTrust日本株式」は楽天証券やカブドットコム証券のiDeCo(個人型確定拠出年金)プランにもラインアップされています。⇒楽天証券確定拠出年金プランauカブコム証券確定拠出年金プラン



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