証券会社による手数料無料化の動きが加速してきました。投資信託の購入時手数料無料化に続いて、ついに国内株式・ETFの取引手数料にも無料化の波が押し寄せています。松井証券、SBI証券、楽天証券、岡三オンライン証券が一定額以下の取引に対して手数料を無料にすると発表しました。
株式取引の手数料無料枠を拡大します ~現物取引・信用取引の手数料が1日の取引金額50万円まで無料に!~(松井証券)
SBI証券、株式委託手数料の無料化の範囲拡大のお知らせ~2019年12月23日(月)から、現物・信用取引ともに、株式委託手数料(アクティブプラン)の1日の約定代金合計額「10万円まで無料」を「50万円まで無料」に拡大~(SBI証券)
楽天証券、国内株式手数料50万円以下を無料に!‐さらに「いちにち信用」金利・貸株料を1.80%に!100万円以上は引き続き0%!‐(楽天証券)
株式取引手数料改訂のお知らせ 1日の約定代金合計50万円まで手数料0円(岡三オンライン証券)
いよいよ日本の証券会社も本格的に“手数料無料時代”に突入したと言えそうです。
各社とも1日の約定代金が50万円までなら取引手数料無料となります。国内ETFならほとんどの銘柄が最小売買単元口数の金額で50万円を超えていないので、大半のETF銘柄は取引手数料無料でカバーできます。個別株も現在は単元株数が100株になっているので、かなりの数の銘柄を取引手数料無料で売買できることになります。私のように投資信託の積立だけでなく個別株や国内ETFにも投資している個人投資家からすると、ほんとうにありがたい時代になったと思います。
小口取引の手数料が無料になったことで、例えばETFを積立のように定時購入することもできます。ETFは定期的に分配金を受け取りながら運用を続けたい人にとっては有力な選択肢です。ただ、取引手数料がかかることがネックだったのですが、この問題がほとんど解消したことになります。さらに現金が必要になったときなど取り崩しの際にも手数料を気にせずに済むのは極めて大きな意味があります。
もちろん個別株投資にとってもメリットは大きいでしょう。私のような弱小個人投資家は個別株を買う時もたいていは最小売買単位といった少額ですから、どうしても取引手数料の割高感が気になって手が縮むといったケースが少なくありません。それが今後は手数料無料で売買できるわけですから、いままで以上に安心して個別株を買うことができます。個別株投資には個別株投資にしかない楽しさがありますから、今回の動きをきっかけに投資信託やETFだけでなく個別株投資に目覚める人もいるかもしれません。
それにしても投資信託の購入時手数料に続き、ついに個別株式やETFの取引手数料すら無料になる時代に入りました。ネット証券を中心に、日本でもまさに“手数料無料時代”に突入したと言えそうです。こうなると、やはり問題になるのがはたして証券会社がサービスを維持できるだけの収益構造を持っているのかということです。手数料無料時代に収益モデルはどういったものになるのか。大いに気になるところです。
ただ、あえて言うと新たな収益モデルを構築するためにも、じつは前提条件として手数料無料化が必要だったのではないかという印象を持っています。手数料を無料にしたからこそ実現できる収益モデルがあるのではないでしょうか。
【ご参考】
松井証券、SBI証券、楽天証券、岡三オンライン証券はいずれもネットから無料で口座開設できます。⇒松井証券
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