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2019年9月1日

投資は“割に合わない”からこそインデックス投資が有効なのだ



いつも楽しく読んでいるフクリさんのブログ記事(つみたてNISAは「割に合わない」のか?)で面白い話が紹介されていました。サラリーマンの中には「つみたてNISA」のような積立投資が“割に合わない”と考える人がいるという指摘です。

つみたてNISAは「割に合わない」とサラリーマンが思うワケ(幻冬舎Gold Online)

すでにフクリさんが的確なエクスキューズをしているのですが、もう一歩踏み込んで考えてみました。身も蓋もない話ですが、投資というのは意外と“割に合わない”というのはある面で真実です。しかし、だからこそ「つみたてNISA」などを活用したインデックス投資や積立投資が有効なのです。

記事に登場するサラリーマン氏は都内在住38歳。結婚4年目で1歳の子供がいますが「貯金はゼロ」です。それでも年収650万円で共働きであり、世帯年収は1000万円を超えています。富裕層ではありませんが、比較的余裕のある暮らしぶりです。このサラリーマン氏が「つみたてNISA」を“割に合わない”と考えている理由は、以下のようなものでした。
つみたてNISAなどの制度も知っています。でも、ずっと積み立てて、20年後、58歳になったときに増えていたとして、よくて利回り3〜4%、年間上限40万円だから、20年間で800万円投資しても複利で1,600万円くらいにしかならないでしょう。はっきり言って、損ですよ。仕事のパフォーマンス次第で、年収はこれから45歳までの7年間で300万円くらいは変わりますから。そうすると、そこから58歳まで、それ以上給与が上がらないとしても(上がるだろうけど)4,200万円も差が出る。だったら、今は投資よりも自身のパフォーマンスを上げることに集中して、仕事を頑張ったほうがいい。
この考え方はある意味で正しい。実際に投資でも大きなパフォーマンスを上げることは並大抵のことではありません。「つみたてNISA」のような積立投資となれば、期待できるリターンはさらに小さくなります。そこでリターンを高めるためにトレードを駆使した積極的な運用を行ったとしても、時間と労力がかかる上にリスクも大きくなりますからやはりハードルは低くない。自分の力だけではどうしようもない「運」にも左右されます。よほど才能のある人や専業でもない限り、投資というのは“割に合わない”のです。だから「投資よりも自身のパフォーマンスを上げることに集中して、仕事を頑張ったほうがいい」という判断は正しい。

ところが、普通のサラリーマンにとって投資が“割に合わない”ということが、逆説的にですがインデックス投資や積立投資の有効性を浮き彫りにします。投資といえば企業分析や経済情勢の判断などが必要であり、大きな労力や時間が必要だと思われがちです。だからこそ“割に合わない”となるのですが、インデックス投資や積立投資は、そういった労力と時間がほとんど必要ありません。最近は低コストな全世界株式インデックスファンドやバランス型インデックスファンドがありますので、それらをいったん積立設定してしまえばリバランスの必要すらありません。あとは投信ブロガーにでもならない限り、他のことに自由に時間と労力を使えます。

つまり「投資よりも自身のパフォーマンスを上げることに集中して、仕事を頑張ったほうがいい」と考えるサラリーマンにとって最適な投資手法こそがインデックス投資であり積立投資なのです。このサラリーマン氏の場合も、インデックスファンドを積立ながら仕事を頑張って給料を増やすことに専念すればいいのではないでしょうか(その前に貯蓄の習慣を作ることが必要ですが)。そうすれば、収入を増やすことと資産を積み上げることを同時に行えるので、まさに「王手飛車取り」の一手となります。なにより大事なのは、ものごとを頑なに“あれか、これか”といった二者択一で考えるのではなく、“あれも、これも”やってみる精神の柔軟さです。そういう精神の柔軟さは投資だけでなく、出世でも必要不可欠な要素のはずです。

そしてもひとつ言うと、サラリーマンにとって「自身のパフォーマンスを上げることに集中して、仕事を頑張る」こともそれほど簡単なことではありません。記事に登場するサラリーマン氏は38歳ですから、まさに脂がのってきたころ。いくらでも仕事ができると感じていることでしょう。ところが悲しいかな40代や50代になると多くの人は状況が変わってきます。恐ろしいことに体に変調をきたしたり、親の介護や子供の世話などで仕事に投入できる労力が減少する場合だってあります。また、出世すればするほど社内政治など自分の能力以外の要素に左右されるケースも増えてきます。なかなか自分の力だけでは仕事のパフォーマンスを上げるのが難しくなる可能性があるのです。そうなったときに「貯金はゼロ」では非常に困る。逆に“割に合わない”と思っていた「つみたてNISA」の1600万円の存在が恐るべき輝きを放つことでしょう。ここにも「仕事を頑張る」と「積立投資」を両立する意味があります。いわば人生のリスクヘッジとしての資産形成です。

実際にサラリーマンにとって投資は“割に合わない”ものです。しかし、だからこそ仕事やプライベートに時間と労力を費やすことができるインデックス投資や積立投資が有効になる。確かにインデックス投資や積立投資で期待できるリターンはそれほど大きなものではありません。その代わり、仕事やプライベートに十分な時間と労力を割くことができます。それは言い換えると、仕事やプライベートを充実させてこそ初めてインデックス投資や積立投資は人生にとって“割の良い”投資手法となるということでもあります。

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