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2019年1月11日
正念場を迎えた「ひふみ投信」―ひふみ投信の2018年12月の運用成績
少額ですがサテライトポートフォリオの一部として積立投資している「ひふみ投信」の2018年12月次運用報告書が出たので定例ウオッチです。2018年12月の「ひふみ投信」の騰落率は-13.5%、参考指数であるTOPIX(配当込み)の騰落率は-10.2%でした。12月は非常に大きな株価下落があったのですが、参考指数を大きくアンダーパフォームする結果となり、非常に厳しい運用結果となっています。純資産残高は12月28日段階で1159億円(前月は1350億円)、ひふみマザーファンドの純資産残高は6665億円(前月は7675億円)となりました。2018年は苦しい運用が続いている「ひふみ投信」ですが、いよいよ正念場を迎えたという印象を持ちます。
2018年12月は世界的に株価が大幅に下落し、ちょっとしたパニック相場の様相を呈しました。こういう地合いになると、どういった手当てをしても基準価額の下落は避けられないものです。ただ、「ひふみ投信」の場合は参考指数以上に大幅な下落幅となっていることが気になります。この点に関して最高運用責任者である藤野英人さんは、海外投資家の大規模な売りがあり、とくに優良株から売りに出されたことで、同じく優良株を多く保有する「ひふみ投信」が打撃を受けたと分析しています。
ただ、明らかに“売られすぎ”の面もあるとして、必要以上に下落した銘柄を買い増しているとのことです。このためとくに下落の大きかった超小型株のウエートが高まりました。また、これまで魅力があっても割高感から投資していなかった銘柄を新たに組み入れているそうです。こうした取り組みの成果が今後、問われることになります。
「ひふみ投信」にとってこれからしばらくが正念場だという感じを受けます。というのも、18年トータルでのパフォーマンスも非常に低迷しており、過去1カ月、3カ月、6カ月、1年いずれも騰落率は参考指数を大きく下回りました。このため17年までの貯金を取り崩している状態となっており、このままズルズルと成績が後退すれば、ファンドの評価も非常に厳しいもとなる公算が高いからです。
実際に純資産残高は大きく減少しており、事実上、新規の資金流入が止まった状態。「ひふみ投信」は積立設定で購入している受益者が多いので、ある程度は継続的な資金流入が見込めるのですが、それでも純資産残高が増加しないということは、解約による資金流出も起こり始めたと考えられます。ファンドにとって最も怖いのは基準価額の低下ではなく資金流出にほかなりません。
その意味で2019年は「ひふみ投信」にとって極めて重要な年となるでしょう。ここで優れた運用成績を上げることが、引き続き受益者の信頼を獲得するための重要な条件となりそうです。逆に現在の下落相場は、優良な銘柄を割安で仕込むチャンスでもあります。その意味で運用成績が爆発的に改善することも十分にあり得ます。
まさに正念場を迎えた感のある「ひふみ投信」ですが、受益者の1人としてぜひ頑張ってほしいと思います。参考に2019年1月の「ひふみアカデミー」の動画を上げておきます。
さて、月次運用報告書に先立って発表された中間レポート恒例の組入れ銘柄紹介です。今回は、SUMCO(3436)でした。いわずと知れた半導体用シリコンウエハーの大手。半導体関連の銘柄は現在、明らかにピークアウトしていますが、やはり来るべき5G時代・IoT時代を見据えると押さえておきたいセクターです。その意味では、長期的な視点に立った挑戦的な銘柄選択だといえそうです。
【ご参考】
ひふみ投信は、銀行や証券会社といった販売会社を通さない直販ファンドです。ネットから無料で口座を開設することができます。⇒ひふみ投信
ひふみ投信と同じマザーファンドに投資する「ひふみプラス」はSBI証券 、カブドットコム証券、楽天証券、マネックス証券など主要ネット証券や地方銀行などで買うことができます。
また、ひふみ投信と同じマザーファンドに投資する確定拠出年金専用ファンド「ひふみ年金」がSBI証券、イオン銀行、松井証券、マネックス証券の個人型確定拠出年金(iDeCo)プランでラインアップされています。SBI証券、イオン銀行、松井証券、マネックス証券のiDeCoはいずれも運営管理手数料が無料であり、低コストなインデックスファンドをそろえた商品ラインアップも素晴らしく、iDeCoの選択肢として最有力です。こちらもネットから無料で簡単に資料請求できます。⇒SBI証券確定拠出年金プラン、イオン銀行確定拠出年金プラン、松井証券確定拠出年金プラン、マネックス証券確定拠出年金プラン
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