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2018年12月8日
厳しい相場環境でも参考指数に勝つ―ひふみ投信の2018年11月の運用成績
「ひふみ投信」の2018年11月次運用報告書が出ましたので定例ウオッチです。2018年11月の「ひふみ投信」の騰落率は+1.9%、参考指数であるTOPIX(配当込み)の騰落率は+1.3%でした。世界的に株式市場の下落傾向が続き、10月は参考指数に対して大幅なアンダーパフォームとなるなど運用の低迷が心配されていた「ひふみ投信」ですが、11月はきっちりと挽回してきました。厳しい相場環境でも参考指数に勝つ素晴らしい結果だと思います。純資産残高は11月30日段階で1350億円(前月は1324億円)、ひふみマザーファンドの純資産残高は7675億円(前月は7402億円)となりました。大規模な資金流出もなく、引き続き受益者からの信頼も維持しています。
11月も10月に続いて厳しい相場環境でした。依然として米中貿易戦争による世界経済への悪影響の懸念や、新型iPhoneの販売不振が伝えられることでアップル株が下げ、それがハイテク・情報通信銘柄全体に波及するなど相場の状況が一変しています。ただ、10月の下げが急激だったこともあり、小反発も起こっています。こうした動きを「ひふみ投信」は的確にとらえるに成功したようで、最終的には参考指数を上回るパフォーマンスを発揮しています。絶対値は大きくありませんが、今回の勝ちは勝負の流れを考えると大きな意味を持つと思います。
こうなると、今後の運用戦略が一段と気になるところです。運用責任者の藤野英人さんによると、景気の影響を受けにくい地味で地道な企業への投資ウエートを高めているとか。また、相場の先行きに対してもかなり厳しい見通しを持っているようです。同時に、相場が低迷することで市場から脱落するプレイヤーも増え、企業実態以上に売り込まれる銘柄も増えてくるだろうから、その中から良い銘柄を積極的に拾っていくことが基本戦略となります。
ある意味で「ひふみ投信」がもっとも得意とする投資パターンへの回帰が行われていると考えてもよさそう。ここで割安になった魅力的な銘柄をしっかりと拾うことは、今後の成績の成果を決定づける要因になります。こういう不安定な相場環境で、どれだけ有望な銘柄を割安に確保できるか。そこにこそアクティブファンドの腕の見せどころがある。なお、「ひふみアカデミー」でも興味深い指摘が多々ありましたので、関心のある方は視聴してみてください。
最近、「ひふみ投信」に関してかなりネガティブな意見をする人が増えていますが、まず11月は素晴らしい結果を見せてくれました。受益者の一人として、引き続き頑張って欲しいと思います。同時に、現在の厳しい相場環境に中で受益者の意識もまた試されているのです。
さて、月次運用報告書に先立って発表された中間レポート恒例の組入れ銘柄紹介です。今回は、アンリツ(6754)でした。電子計測器の名門で、なんと創立は1895年までさかのぼります。こうした通信インフラ関係の会社というのは、まったくの裏方ですから目立たないのですが、やはり非常に面白い選択だと思う。次に起こるであろう5G時代に向けて、様々な商機があると予想されるからです。
【ご参考】
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