投資信託の専門誌である「投資信託事情」2018年8月号で当ブログの記事を紹介いただきました。編集長である島田知保さんから過分のお褒めをいただき、恐縮です。そこで島田さんは「プロこそ個人投資家のブログを読もう」と指摘しているのですが、これには私も大賛成。やはり金融商品においても消費者の声というのは大切だからです。そして、消費者というのは業界人が想像している以上に賢いものなのです。
先日、「同じ8資産均等型でも「eMAXIS Slim」と「ニッセイ<購入・換金手数料なし>」は直接比較できない全く別の商品」という記事を書いたところ、島田さんの目に留まったようで、「投資信託事情」の巻頭言コラムともいえる「潮流」というコーナーで言及していただきました。
同じ8資産均等配分のバランス型インデックスファンドでもマザーファンドのベンチマークが微妙に異なる場合があり、こういった商品を同列に並べて比較することの問題点を指摘したのですが、島田さんはそういった丁寧な説明を運用会社や販売会社が個人投資家に対して行っていないことを問題視しているようです。これには私も同じような感想を持つのですが、あえて付け加えるとするなら、投資家の側ももう少し目論見書を熟読する習慣をつける必要がありそうです。
それよりも島田さんのコラムで印象深かったのは、「プロこそ個人投資家のブログを読もう」と呼び掛けていることです。私も長年、いろいろな個人ブログを読んでインデックス投資などに関する知識を得てきた一人なので、これにはまったく同感。現在でもハイレベルな内容のブログが次々と登場しています。だから島田さんもコラムの最後に次のように書いていました。
玄人が想像する個人投資家や投信ブロガー像は、低コストパッシブ投信は信託報酬さえ低ければ良いと考える人達と思いがちだ。たしかに信託報酬の安さは最重要視される要因であるが、信託報酬で言えば0.2%台まででバランス型投信が買える環境まで現実が進んできた。最後の「個人投資家は多角的に投資信託をウォッチしている」ということを、金融機関や投資業界の人はよくよく理解して欲しいと思うのです。そういった声に真摯に向き合うことで、日本の投資業界はもっと良い姿になっていくのではないでしょうか。
同時に投資家そのものの関心の深さや広さも、一部の人たちは業界が像象するよりはるか先に進んでいる。コストだけではなく、ファンドの資産規模や資金の継続的な流入の有無、トラッキングエラー、かくれコストと言われるその他の費用を含む実質的な費用、そして(高いと評判の)指数使用料の水準、対象とする指数そのものへの関心、情報開示の姿勢やその内容の分かりやすさや深さ……個人投資家は多角的に投資信託をウォッチしている。
最後に、あいかわらず好き勝手な放言ばかり書き殴っている当ブログですが、島田さんと「投資信託事情」に注目していただいて光栄です。ありがとうございました。
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