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2018年7月31日

「EXE-i」シリーズの第5期運用報告書を読む―当期も順調に実質コストが低下しました



私がSBI証券の個人型確定拠出年金(iDeCo)で愛用しているパッシブ型ファンドにSBIアセットマネジメントの「EXE₋i」シリーズがあります。海外ETFに投資するファンド・オブ・ファンズ(FoF)なので純粋なインデックスファンドではありませんが、海外ETFを活用することで低コストなパッシブン運用を可能にしたファンドです。このほど第5期(2017年5月13日~2018年5月14日)の運用報告書が出たので、騰落率や実質コストを確認します。

私はシリーズのうち、新興国株式ファンドとグローバル中小型株式ファンド、グローバルREITファンドをiDeCo口座で積み立て投資しています。それらを含めたシリーズ5ファンドの第5期の騰落率と実質コストは次のようになりました(投資対象ETFの信託報酬は目論見書から抽出)。

EXE-i先進国株式新興国株式グローバル
中小型株式
先進国債券グローバルREIT
ファンド騰落率10.010.911.3‐1.22.7
参考指標騰落率10.712.412.10.30.4
信託報酬0.250.250.250.250.25
売買委託手数料0.0130.0160.0110.0090.012
有価証券取引税00000
その他
(保管、監査)費用
0.0150.0140.0160.0290.02
合計0.2780.280.2770.2880.282
投資対象ETF信託報酬0.07程度0.131程度0.082程度0.164程度0.102程度
実質コスト0.348程度0.411程度0.359程度0.452程度0.384程度
単位:%
分配金は当期も無しでした。各ファンドとも保有するETFのベンチマークと参考指標の指数が若干異なりますのでファンド騰落率は参考指標とは一致しません。ただ、先進国株式、新興国株式、グローバル中小型株式は、まずまず参考指標に近似した数字になっています。一方、先進国債券とグローバルREITは参考指標との乖離が激しい。これは参考指標とする指数と、実際に保有するETFのベンチマーク指数が全く別物だからです。このあたり、参考指標の選び方を再考した方が良いのかもしれません。

さて実質コストの方ですが、こちらはすべてのファンドが前期実績を下回っています。純資産残高が増加したことで、いわゆる隠れコストが低下したことに加えて、投資する海外ETFの信託報酬が低下しています。海外ETFは激烈な低コスト競争が続いていますが、その恩恵を自然と享受できるのも「EXE₋i」シリーズのような海外ETFに投資するFoFの利点でしょう。

最近はインデックスファンドの低コスト化が一段と進んだことで、かつてほどのコスト競争力はありませんが、それでも新興国株式に実質コスト0.4%台、グローバル中小型株に同0.3%台で投資できるのは魅力です。いずれも現地の資本規制や税制、あるいは流動性の面などから実質コストがかさみやすい資産カテゴリーだからです。第5期もしっかりとした運用とコスト低下が確認できましたから、引き続き安心して保有と積み立てを継続できます。

ところで「EXE₋i」シリーズの廉価版ともいえるファンドに「EXE₋iつみたて」シリーズがあります。こちらは初年度の決算が明らかになっていないので実施コストなどはまだ不明ですが、信託報酬は「EXE₋i」よりさらに廉価となっていますので、今後が楽しみなファンドです。いまのところ「つみたてNISA」での販売を狙ったファンドといったおもむきですが、ぜひSBI証券には「EXE₋iつみたて」シリーズもiDeCoプランに導入して欲しいところ。もしくは「EXE₋i」の信託報酬を「EXE₋iつみたて」シリーズに近い水準にまで引き下げて欲しい。そうすれば「EXE₋i」シリーズの魅力は、一段と高まることでしょう。

【関連記事】
「EXE-i」シリーズの第4期運用報告書を読む―海外ETFを活用した低コストは魅力的

【ご参考】
「EXE-i」シリーズは主要ネット証券で購入できるほか、SBI証券確定拠出年金プランにもラインアップされています。SBI証券のiDeCoプランは運営管理手数料が無料であり、商品ラインアップも低コストなインデックスファンドが揃っているので、最もお薦めの金融機関の一つです。ネットから無料で資料請求できるので関心のある方は研究してみてください。⇒SBI証券確定拠出年金プラン



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