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2017年9月21日
60歳まで換金できないのは、じつはiDeCoのメリット―2017年9月の個人型確定拠出年金(iDeCo)積立と運用成績
北朝鮮問題で軟調な相場が続いていましたが、いきなりの衆議院解散報道でいろいろな思惑を先取りしてまたまた相場が急上昇です。ほんと、相場は予想不可能でタイミングを狙って投資するのは至難の技だと改めて実感しました。やっぱり積み立て投資は気楽なものです。SBI証券で積み立てている個人型確定拠出年金(iDeCo)の9月の積み立てが約定しました。今回の上げで累積リターンも+17.8%と上向いています(9月19日現在)。さて、そのiDeCoですが、デメリットのひとつとして指摘されるのが60歳まで原則として換金できないことです。それが気になってiDeCo加入を躊躇している人は意外と多い。しかし、見方を変えると60歳まで換金できないというのは、じつはiDeCoのメリットともいえるのです。
今回買付けたファンド・商品は以下の通りです(カッコ内は信託報酬)。
【個人型確定拠出年金(SBI証券iDeCoプラン)】
三井住友・DC日本株式インデックスファンドS(0.19%)
DCニッセイ外国株式インデックス(0.21%)
EXE-i新興国株式ファンド(0.23%+投資対象ETF信託報酬0.131%程度)
EXE-iグローバル中小型株式ファンド(0.23%+投資対象ETF信託報酬0.104%程度)
三井住友・DC外国債券インデックスファンド(0.21%)
三菱UFJ DC新興国債券インデックスファンド(0.52%)
EXE-iグローバルREITファンド(0.23%+投資対象ETF信託報酬0.114%程度)
あおぞらDC定期
注目は「三井住友・DC日本株式インデックスファンドS」。今日9月21日から名称を「三井住友・DCつみたてNISA日本株インデックスファンド」に変更し、信託報酬(税抜)も0.16%に引き下げられます。昔は既存ファンドの信託報酬が引き下げられるなどということはめったにありませんでしたから、感慨もひとしお。三井住友アセットマネジメントさん、頑張ってくれました。名称変更が象徴するように来年から始まる「つみたてNISA」に向けた動きですから、やはり「つみたてNISA」は投資信託の在り方を劇的に変えてしまったのです。
「つみたてNISA」とならんでiDeCoも資産形成を考える際にまずは利用を検討するべき制度です。とくに掛金が全額所得控除されることによる課税繰り延べ効果は大きなメリット。一方、デメリットとして指摘されるのが60歳になるまで原則として換金できないという流動性の低さです。これが気になって、iDeCoに関心がありながらも、加入に踏み切れない人は意外と多いのです。
確かに流動性の低さはiDeCoのデメリットです。しかし、iDeCoはあくまで年金保険の一種ですから、流動性の低さは他の貯蓄性保険と同様です。べつにiDeCoだけのでデメリットではない。そして発想を変えると、この流動性の低さは、メリットだと解釈することも可能なのです。
先日、東京で「つみたてNISAフェステバル2017」が開催されました。私は参加できませんでしたが、Twitterやブログを通じて、そこで話し合われた内容を知ることができました。その中で、あるファイナンシャルプランナーのパネリストが積み立て投資で成功する秘訣として「続けること、続けること、続けること」と発言しています。これは非常に大事なことです。積み立て投資で失敗するのは、だいたいは相場が大きく下落したたときに狼狽してしまい、投資を止めてしまうことにあります。しかし、積み立て投資というのは相場が下落し、それこそ含み損になっている状態でどれだけ投資を続け、保有口数を仕込めるかにかかっている。それが相場回復時のリターンに直結するからです。
この点を踏まえると、じつは60歳まで換金できないというiDeCoの特徴は、それこそ長期・分散・積み立て投資の観点ではメリットとさえいえます。ある意味で強制的に投資を継続させられるわけですから。人間の意志というのは意外と弱いものですから、ある程度は仕組みの面での縛りが無いと、物事を継続することは簡単ではない。そういう風に少し発想を変えてみると、iDeCoの流動性の低さという問題も、それほど気にならなくなあるのではないでしょうか。
【ご参考】
iDeCoプランの選択肢としてお薦めなのは運営管理手数料が無条件無料で低コストインデックスファンドをそろえるSBI証券、楽天証券、マネックス証券、イオン銀行、松井証券です。iDeCoへの加入を検討している人は、これら金融機関のプランも研究することをお勧めします。いずれもネットから無料で資料請求できます。⇒SBI証券確定拠出年金プラン、楽天証券確定拠出年金プラン、イオン銀行確定拠出年金プラン、マネックス証券確定拠出年金プラン、松井証券確定拠出年金プラン
また、iDeCoは、やや制度が複雑なので解説書を読んで研究するのも良いでしょう。最新の情報を盛り込んだ解説書としては大江英樹さんの『はじめての確定拠出年金投資』山崎元さんの『確定拠出年金の教科書』竹川美奈子さんの『一番やさしい! 一番くわしい! 個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)活用入門』田村正之さんの『はじめての確定拠出年金』を挙げておきます。
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