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2017年5月26日

投資は資産形成のエンジンではない―今月の積立投資(2017年5月特定口座)



通常の課税口座での今月の積立投資を実行しました。といってもSBI証券の自動積立サービスを利用しているので、とくにやることはありません。あいかわらずほったらかしで毎月淡々とインデックスファンドの買付が行われています。早いもので私がインデックスファンドの積立投資を開始して5年目に突入しています。積立投資というのは一種の入金投資法ですが、実際にやってみるといろいろと気づく点も多いです。とくに最近つくづく思うのは、個人にとって投資は資産形成のエンジンですらないということです。

今月、通常の特定口座で買い付けたのは以下のファンドです。

【特定口座(SBI証券)】
ニッセイ日経225インデックスファンド
(信託報酬:税抜0.25% 信託財産留保額:なし)
<購入・換金時手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド
(信託報酬:税抜0.2% 信託財産留保額:なし)
たわらノーロード新興国株式
(信託報酬:税抜0.495% 信託財産留保額:0.3%)
Funds-i新興国債券・為替ヘッジ型
(信託報酬:税抜0.6% 信託財産留保額:0.3%)
世界経済インデックスファンド
(信託報酬:税抜0.5% 信託財産留保額:0.1%)
iTrust世界株式
(信託報酬:税抜0.89% 信託財産留保額:なし)

先月まで東京三菱UFJ銀行の口座で「eMAXISバランス(8資産均等型)」も購入していたのですが、今月から止めました。もともと個人的にちょっとしたメインバンク戦略から購入していたものであり、その目的もほぼ達成したことに加え、より低コストな「eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)」が登場したのもきっかけの一つです。

インデックスファンドの積立投資も5年目くらいになると、保有ファンドの評価額はそれなりの金額に積み上がってきます。おまけに最近は相場の状況も悪くないので、それなりの含み益にもなっています。たぶん同世代の平均よりは金融資産は多い方でしょう。ただ、それでも「投資で儲かった」という感覚にはまったくなりません。それどころか、資産形成において投資の役割は、資産を増やすためのエンジンではないという感じがますます強まってきました。

これはどういうことかと言うと、私のような庶民でも世の中の平均以上の金融資産を持つことができたのは、投資の成果というよりも、これまで毎月きちんと余剰資金を口座に入金できたからだということです。だから、資産が増えたのは投資の成果というよりも積立の成果だというのが正直な実感です。ただ、リスク資産に資金を投じてきたことで、ここまでは幸いなことに普通に貯金するよりも資産が増えるスピードが速まったということになります。

結局、庶民の資産形成にとってもっとも大切なのは、日々の収入を増やすことと、メリハリのある支出で余剰資金を確保することに尽きる。これこそが庶民の資産形成のエンジンなわけです。では投資はどういった役割を果たすのでしょうか。日々の収入が資産形成のエンジンだとすると、投資はそのパワーを上げてくるターボチャージャーのようなものなのです。過給機のブースト圧を上げ過ぎるとエンジンがブローするのも似ています。

東京証券取引所の情報サイト「東証マネ部!」にブログ「Passiveな投資とActiveな未来」を書いているybさんが紹介されていました。ybさんとは「インデックス投資ナイト」で一度だけお会いしたことがありますが、東証マネ部!の記事は非常に味わい深いものがあります。

40代で1億円の資産形成に成功!投資ブロガー・ybさん「本業を頑張ったからこそ資産を築けた」(東証マネ部!)

ここには普通の市民が資産形成を実践する神髄があります。ybさんは40代で資産1億円を築いたわけですが、投資の成果としては年利換算で3%程度に過ぎません。やはり資産形成のエンジンは日々の“稼ぐ力・貯める力”だったわけです。これを「所詮は投入資金が大きかっただけ」とか「たった3%しかリターンがない」などと言って腐しているような人は、いつまでたっても庶民の資産形成とは何かということが理解できないでしょう。そもそも平均年3%のリターンを10年以上にわたって確保することがどれほど難しいことかということに想像力が及んでいないからです。その意味でybさんはハイパフォーマンスなエンジンに上手くバランスのとれたターボチャージャーを搭載することで資産1億円を達成した。リスクコントロールに注意を払うことでエンジンブローせずに走り続けていることも見事の一言です。

1億円という数字自体はたんなるシンボルであって、意味はありません。ひとそれぞれ目指すゴールが違うわけですから。それよりも「稼ぐ力・貯める力」と「投資」のバランスこそ見習わないといけないと思う。だからこそ今回の記事は味わい深くも勇気づけられるものだっと感じたのでした。

【ご参考】
積立投資については様々な参考書がありますが、とくにカン・チュンドさんの『忙しいビジネスマンでも続けられる 毎月5万円で7000万円つくる積立て投資術』と星野泰平さんの『終わりで大きく儲かる「つみたて投資」』が分かりやすいです。





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