私は会社で労働組合の執行委員長をしているのですが、交渉が難航していた春闘がようやく妥結しました。何とか今年もわずかですがベースアップを勝ち取り、定昇分と合わせて前年並みの賃上げに成功しました。
前にも書いた通り、私は従業員50人以下の零細企業に勤めているのですが、幸いなことに会社に労働組合があります。数年前から執行委員長に選ばれたため、今年も春闘で会社と4月以降の賃金について交渉を進めていました。
アベノミクスの成果かどうかはわかりませんが、世間では大企業を中心に景気の良い賃上げの話が相次ぎました。ところが私が勤めているよな零細企業は、じつにお寒い内容でして、会社からの春闘1次回答は「定昇のみ」。物価上昇を差し引くと実質の賃下げです。とても認めるわけにはいかないということで期限を延長して交渉を続けてきました。
そして出された3次回答でようやく前進回答を得ることに成功しました。定昇に加えて「150円」のベースアップです。大企業から見れば、じつにお笑いの金額でしょう。たった150円のために会社と交渉を重ねるのは労力の無駄という意見もあるかもしれません。しかし、私はこうした小さな成果を積み重ねることこそ、零細企業の労働組合にとっては重要なことだと考えています。わずか150円でも、ベースアップとなれば、残業代も上がります。なにより退職金の算定基準が変わることも大きい。
何はともあれ、4月から給料が増えることは喜ばしいことです。労組の執行委員長として、組合員に対する求心力も維持できそうです。でも、物価上昇や増税、社会保険料負担増などを考慮すると、実質賃金は減少となりそう。依然として庶民の生活は厳しい。そうなると、給料の額面が増えたからといって生活レベルを上げてはいけません。給料の増えた部分は貯金と投資に回す。引き続きなにごとも「足るを知る」が大事なのです。とはいえ悋気になっては生活がつまらない。“クオリティ・オブ・ライフ”とバランスを取りながらメリハリのある支出と資産形成を心がけたいものです。
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