サテライトポートフォリオで積立投資している「ひふみ投信」の2025年10月次運用報告書が出ていたので定例ウオッチです。10月の騰落率は+5.3%、参考指数であるTOPIX(配当込み)の騰落率は+6.2%でした。純資産残高は10月31日段階で1915億円(前月は1830億円)、ひふみマザーファンドの純資産残高9768億円(前月は9375億円)となりました。残念ながら10月も参考指数をアンダーパフォームしています。なかなか苦しい運用が続いている「ひふみ投信」ですが、ここにきて保有銘柄を絞り込むなど抜本的なポートフォリオの組み換えを進めています。
10月は、米国の政府機関一時閉鎖などで一時的に相場が軟調となることもありましたが、AI関連を中心としたハイテク銘柄の上昇が続き、株価を大きく押し上げています。日本株は「高市トレード」が相場を牽引しています。全体として政治的な安定感とAI関連銘柄への期待が相場を大きく押し上げた1カ月だったと分析しています。
そうした中、「ひふみ投信」もAI関連銘柄を買い増し、高市政権で恩恵を受けるであろう防衛関連銘柄や電力銘柄などの保有ウェイトも引き上げてきました。ただ、「これまでのポートフォリオの方向感は一切変えておらず、長期で業績を伸ばしながら企業価値を向上できる企業への投資を継続しています」(藤野英人運用責任者)として、て関税リスクを乗り越えて成長していけるグローバル企業や資本政策の大幅な改善による自助努力で企業価値を向上できる企業、グローバルで付加価値が十分発揮できる日本発のIP・コンテンツ企業、関税による影響が軽微で構造的成長が可能な企業への投資を継続しているとのことです。
また、ここにきて保有銘柄の絞り込みを進めており、実際に10月末段階の保有銘柄数は90銘柄となり、前月末の106銘柄からさらに減少しました。この点に関して藤野氏は「株価上昇余地がある企業を発掘しても保有ウェイトが低ければ、その恩恵は軽微なものに留まってしまいます」と説明しています。これは、非常にアクティブファンドらしい判断でしょう。保有銘柄を増やせば一種の疑似インデックスファンド化してしまし、ますます参考指数に勝てなくなります。リスクは高まりますが、思い切ってアクティブファンドらしさを発揮して欲しいと思います。
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