サテライトポートフォリオで少しだけ保有しているピクテ・ジャパンの低コストアクティブファンド「iTrust世界株式」の2025年9月次運用報告書の定例ウオッチです。「iTrust世界株式」の2025年9月の騰落率は+1.94%、参考指数であるMSCIワールド・インデックス(ネット配当込み)の騰落率は+3.59%でした。残念ながら9月も参考指数をアンダーパフォームしています。ここにきて世界的にITセクターの値上がりが大きく、相場を牽引する状態が続いていますが、現在の高値がどこまで正当化できるのか気になるところです。
9月は月初こそ主要国の財政悪化懸念から株式市場の軟調に推移しましたが、その後は米国の労働市場に減速感から利下げへの期待が高まり、株価は上昇に転じました。その後、利下げ決定後には企業業績への期待から上昇を続けました。特にAI関連を中心にIT・ハイテク銘柄が市場を牽引しています。
こうした状況に対して、ピクテは「iTrust」シリーズの受益者に配信される機関投資家向けレポート「Barometer」10月号で「主要中央銀行の多くが利下げを実施する中、世界経済の見通しは改善しており、企業収益も堅調」と指摘しています。このため株式はオーバーウェイト推奨に判断を引き上げました。
さらにセクター別でもITセクターをオーバーウェイト推奨に引き上げています。ITセクターの現在のバリュエーションは割高ともいえるのですが、ピクテは「良好な企業ファンダメンタルズ(基礎的諸条件)がそのプレミアムを正当化できる」と強気の構えです。また、地域別では中国を含む新興国をオーバーウェイト推奨。新興国株式は総じて投資妙味のあるバリュエーション水準にあることに加え、今年に入ってからは米ドル安の恩恵を受けていいます。
はたしてITセクターのバリュエーションが実際にどこまで正当化できるのか個人的にはやや疑問なのですが、ピクテの見通しがどこまで当たるか気になるところ。また、主要国が金融緩和の方向にある中、日本は主要国で唯一引き締め方向にあります。現在、非常に好調な日本株ですが、今後の金利動向がどのように株価に影響するのかも注視したいと思います。
 
 
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