サテライトポートフォリオで積立投資している「ひふみ投信」の2025年3月次運用報告書が出ていたので、その定例ウオッチです。3月の騰落率は+0.28%、参考指数であるTOPIX(配当込み)の騰落率は+0.22%でした。純資産残高は3月31日段階で1623億円(前月は1622億円)、ひふみマザーファンドの純資産残高は8238億円(前月は8194億円)となりました。わずかですが参考指数をアウトパフォームしています。米国の関税引き上げ問題がくすぶる不安定なそうなの中、現金比率を高めていたことが奏功しました。そして4月に入ると、懸念が現実のものとなったわけです。
今から考えると、現在の市場の混乱の萌芽は3月の段階からから出ていたわけで、株式相場は米国の関税政策の行方を一喜一憂しながら不安定な動きを続けていました。そうした中、「ひふみ投信」は一時的に現金比率を高めるなどリスクを抑えた運用を行ったことで結果的に参考指数を上回るパフォーマンスを維持したことになります。そして、この不安は的中します。4月に入ってからの大暴落によって「ひふみ投信」の基準価額も大幅に下落しています。
ただ、さすがと思ったのは暴落直後の4月7日には受益者対象の緊急セミナーを配信し、運用会社としての現状分析と見通しを率直に語っていることです。こうした丁寧な説明こそがアクティブファンドには欠かせません。セミナーの内容の一部はWEBサイトでも公開されています。
トランプ関税の衝撃 世界ではいま何が起きているのか?個人投資家にできることとは(レオス・キャピタルワークス)
この中で最高運用責任者の藤野英人さんは最後に「今はインデックスで投資をするのが上手くいかない局面にあります。変化率の高いマーケットでは、最も効果があるのはつみたて投資です。下げ相場でも投資し続けることで、株価が反発するタイミングも捉えることができます。つみたて投資を駆使しながら、投資先を選んでいくことを考えてみてください」とし指摘しています。インデックス投資が上手くいかない局面なのかどうかは分かりませんが、積立投資が“最も効果がある”というのは同感です。
既に波乱の4月の運用が始まっていますが、これをどうやって乗り切っていくのか、受益者の1人として期待して見守りたいと思います。


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