サテライトポートフォリオで少しだけ積立投資しているピクテ・ジャパンの低コストアクティブファンド「iTrust世界株式」の2024年2月次運用報告書の定例ウオッチです。「iTrust世界株式」の2024年2月の騰落率は+4.68%、参考指数であるMSCIワールド・インデックス(ネット配当込み)の騰落率は+4.94%でした。相場ですが、2月は参考指数を若干アンダーパフォームしています。引き続きハイテク株が相場を牽引するというのがピクテの見立てですが、地域別に見ると日本株への期待が継続しています。日本株の好調には構造的な要因があるからです。
2月は米国の半導体関連企業に好決算が相次いだことで市場は一段と上昇して推移しました。日本株が大きく上昇したことも世界株式全体の上昇に寄与しています。業種別では、一般消費財・サービス、資本財・サービス、ヘルスケアなどが相対的に大きく上昇しています。一方、エネルギー、公益事業は下落、コミュニケーション・サービス、生活必需品などは相対的に小幅な上昇でした。
世界的に好調な相場となっていますが、「iTrust」シリーズの受益者に配信される機関投資家向けレポート「Barometer」3月号によると、株式市場は二極化しているというのがピクテの分析です。すなわち「ハイテク株」と「それ以外」。結局、現在の株式市場はアップル、マイクロソフト、アマゾン、アルファベット、エヌビディア、メタ、テスラの7銘柄いわゆる「マグニフィセント7」に代表されるハイテク銘柄に牽引されているわけです。
そして、これらハイテク銘柄のバリュエーションは極めて割高な水準にあるのですが、ピクテは「今回の「市場の熱狂」には、ファンダメンタルズの裏付けがある」と大胆な指摘。AIの急速な発展などを背景にハイテク企業の業績予想が極めて明るく、これが実現すれば現在のバリュエーションも正当化されるというわけです。はたしてそこまで上手くいくのちょっと疑問なのですが…。
ピクテの分析でもう一つ印象的だったのが日本株への評価。現在の好調は「企業のガバナンス改革等の構造的な要因の他、国内経済のデフレ脱却や円安の継続も国内経済や企業業績の追い風になっています」とのこと。このためピクテは日本株のオーバーウェイト推奨を継続しています。やはり「構造的な要因」というのは無視できません。個人的にはハイテク銘柄の強気な業績予想よりも、日本株市場の構造変化の方がよほど地に足の着いた材料だと思うのは私だけでしょうか。
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