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2023年10月15日

「ひふみ投信」は魅力を取り戻せるのだろうか―ひふみ投信の2023年9月の運用成績

 

サテライトポートフォリオで積立投資している「ひふみ投信」の2023年9月次運用報告書が出ていたので定例ウオッチです。9月の騰落率は-0.14%、参考指数であるTOPIX(配当込み)の騰落率は+0.51%でした。純資産残高は9月29日段階で1578億円(前月は1580億円)、ひふみマザーファンドの純資産残高は7828億円(前月は7874億円)となりました。残念ながら参考指数を大きくアンダーパフォームしています。ここ数年、苦しい運用が続いている「ひふみ投信」ですが、はたしてかつての魅力を取り戻すことができるのでしょうか。

9月の株式市場は米国の金利引き上げ継続の観測が強まったことで海外市場が軟調となり、米国株は大きく下げています。一方、日本株は堅調を維持しており、円安を背景にハイテク株や輸出関連銘柄が好調でした。こうした中、「ひふみ投信」は好調な日本株の流れにまったく追随できておらず、厳しい成績になっています。

ひふみ投信の不振もかなり長期化しています。2013年9月末段階で、過去3年間の騰落率はTOPIXが+53.71%に対して、「ひふみ投信」は+13.92%と大負け状態。設定来だとTOPIXの+197.22%に対して「ひふみ投信」は536.04%と圧倒的なパフォーマンスになっているので、まだまだ利が乗っている古くからの受益者は我慢ができるでしょうが、新しい受益者には、少なくとも運用リターンの面で十分な魅力を提供できていません。

結局、ファンドの規模も大きくなり、さらに時代の変化によって市場の性格も大きく変貌したことで「ひふみ投信」も運用戦略を抜本的に見直す必要があるということでしょう。だからこそ、新たに「ひふみ魅力化計画」と題して、運用の改革に着手したわけです。最高運用責任者の藤野英人さんは月次レポートで次のように書いていました。
新しい流れと変化に対応したポートフォリオ構築に取り掛かり始めました。具体的には、構造的な供給制約等によるインフレを追い風に、長期的な躍進が期待できる大型株への傾斜と、優良小型株の選別投資により、長期的に高いリターンを出そうとつとめています。ひふみ魅力化計画をこれからスタートさせて、10年目線の投資に力を入れていきます。
はたして「ひふみ投信」は、かつての魅力を取り戻せるのでしょうか。そのためには、やはり足元の成績を改善することが必要でしょう。なぜなら、これまで「ひふみ投信」を支持してきた古くからの受益者も年齢を重ねており、徐々に“資産形成世代”から“資産取り崩し世代”へと移行していくからです。そう考えると「10年目線の投資」も、やはり最初の10年が復活へのラストチャンスになるのではないでしょうか。古くからの受益者の1人として、何とか頑張って欲しいと思います。




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