ニッセイアセットマネジメントが、低コストインデックスファンド「購入・換金手数料なし」シリーズの4ファンドの信託報酬を6月14日から引き下げると発表しました。
<購入・換金手数料なし>シリーズ4ファンドの信託報酬率引下げおよび外国株式インデックスファンドの9年超連続資金流入について(ニッセイアセットマネジメント)
今回の引き下げにより、競合する「eMAXIS Slim」シリーズ、「たわらノーロード」シリーズと信託報酬で並び、業界最低水準になりました。今回もシリーズの純資産残高総額が6000億円を超えたのに合わせて自律的に信託報酬を引き下げています。こうしたニッセイAMと「購入・換金手数料なし」シリーズの姿勢は極めて高く評価すべきものです。
今回、信託報酬を引き下げる4ファンドと引き下げ幅は以下の通りです。
「購入・換金手数料なし」シリーズの信託報酬引き下げは今回で通算7回目となります。日本では既存ファンドの信託報酬を変えずに、新たに低コストな新規ファンドを設定するという受益者を軽視した営業戦略が長らく続いていました。そういた悪弊を批判し、既存ファンドの信託報酬を継続的に引き下げることで受益者の利益も重視しながら低コスト化を追求することを率先して実行してきたのがニッセイAMと「購入・手数料なし」シリーズです。その構成は、どれだけ強調してもし過ぎることはありません。
また、同ファンドの信託報酬引き下げは、つねにファンドの純資産残高の成長に連動する形で、自律的に行われてきました。これこそインデックスファンドの低コスト化のあるべき姿です。なぜなら、自律性のない営業戦略に基づく信託報酬引き下げは、その判断が他律的であるがゆえに、外部環境の変化によっては持続性がないからです。単純な話、競合ファンドが信託報酬を引き下げない限り、自らも信託報酬を引き下げないファンドは、それこそ競合ファンドが信託報酬の引き下げ競争から撤退した時に、やはり低コスト競争を終わらせてしまう危険性があるということです。
その意味で、受益者が本当に安心して保有できるのは自律的な信託報酬引き下げを続けている「購入・換金手数料なし」シリーズだということになります。今回の発表では、「<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド」が2013年12月の設定以降113カ月連続で資金流入となっていることも報告されていますが、それこそ受益者が同シリーズの自律的なコスト引き下げの姿勢に持続性がある信頼している証拠でしょう。
もう一つ、ニッセイAMの姿勢で高く評価できる点があります。それは、同社は「購入・換金手数料なし」シリーズだけでなく、そのほかのインデックスファンドの信託報酬も断続的に引き下げていいることです。既にブログでも紹介していますが、最近は確定拠出年金(DC)専用ファンドの信託報酬を相次いで引き下げました。
つまり、ニッセイAMは特定の戦略商品の信託報酬をマーケティング活動的に引き下げているのではないということです。とくにDC専用ファンドはプランにラインアップされている商品の入れ替えが難しいですから、既存ファンドの信託報酬引き下げはというのは受益者にとって極めて大きな意味を持ちます。やはり受益者を重視した姿勢は、どれだけ高く評価してもし過ぎることはないでしょう。
「<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド」は私が保有しているインデックスファンドの中で最大の保有額となっているファンドであり、現在も積立を続けているファンドでもあります。今回の信託報酬引き下げで、決して既存の受益者を置き去りにしないというニッセイAMの姿勢を改めて強く感じることができました。今後も安心して保有と積立を続けることができます。
【スポンサードリンク・関連コンテンツ】