SBI証券のプランで拠出している個人型確定拠出年金(iDeCo)の3月の買付(2月拠出分)が約定したので定例報告です。最近、物価上昇を実感することが増えました。その影響で個人型確定拠出年金(iDeCo)の新規加入者数の伸びも鈍化し、掛金の額も減少傾向だとか。ただ、場合によっては掛金の額を引き下げることは正しい判断でもあります。
SBI証券のiDeCoオリジナルプランで買付けたファンド・商品は以下の通りです(カッコ内は信託報酬)。いつも通りのポートフォリオとなっています。
【個人型確定拠出年金(SBI証券iDeCoオリジナルプラン)】
「三井住友・DCつみたてNISA・日本株式インデックスファンド」(0.16%)
「DCニッセイ外国株式インデックス」(0.1023%)
「EXE-i新興国株式ファンド」(0.23%+投資対象ETF信託報酬0.1085%程度)
「EXE-iグローバル中小型株式ファンド」(0.23%+投資対象ETF信託報酬0.058%程度)
「野村外国債券インデックスファンド(確定拠出年金向け)」(0.14%)
「三菱UFJ DC新興国債券インデックスファンド」(0.34%)
「三井住友・DC外国リートインデックスファンド」(0.27%以内)
「あおぞらDC定期」
累積損益率は3月20日段階で+31.4%でした。ここにきて米国でシリコンバレー銀行など地方銀行が、欧州でもクレディ・スイスが破綻するなど金融不安が高まっていることから株価も軟調に推移し、私のポートフォリオの評価額も低下しています。
金融不安の原因はインフレと金利上昇・債券価格下落ですが、日常生活でも物価上昇を実感することが増えました。そうした状況がiDeCoの新規加入者数にも表れているようです。モーニングスターに記事が載っていました。
自営業者である第1号加入者と専業主婦など第3号加入者の新規加入が鈍化しています。「電気料金や食品という生活に密接した費用(生活費)が上昇し、「年金」という将来の備えにまで十分な資金を回す余力が乏しくなってきたということの表れともとれる」とのことです。また、平均掛金額も減少傾向にあり、やはり生活費の上昇がiDeCoに拠出する余裕を圧迫していると考えられます。
ただ、こうした動きは一概に悪いとも言えません。場合によっては正しい判断だともいえるのです。なぜなら、iDeCoに限らず資産運用というのは余裕資金でやるものだからです。だから、掛金を拠出することで生活費が不足するというのは本末転倒です。また、生活費への支出よりも投資への支出を優先するのは、知らず知らずのうちにリスク許容度を超える危険性もあります。
物価上昇で家計が苦しくなっているなら、堂々とiDeCoの掛金を減らせばいい。だからこそiDeCoは途中で掛金を変更できる制度設計になっているわけです。そして、たとえ掛金を減らしたとしても、運用を続けることが資産運用ではもっとも大切になるのですが、iDeCoは原則として60歳まで既に拠出した資金を換金・引き出しできません。運用はいやおうなく継続する制度設計になっているわけです。こうしたことを考えると、やはりiDeCoの制度設計は、なかなか上手く考えられているのでした。
【ご参考】
iDeCoに加入する場合、金融機関によって手数料や商品ラインアップが異なることに注意が必要です。現在、iDeCoプランの選択肢としてお薦めなのは運営管理手数料が無条件無料で低コストインデックスファンドをそろえるSBI証券セレクトプラン、楽天証券、マネックス証券、松井証券、イオン銀行です。iDeCoへの加入を検討している人は、これら金融機関のプランを研究することをお勧めします。いずれもネットから無料で資料請求できます。⇒SBI証券確定拠出年金プラン、楽天証券確定拠出年金プラン 、マネックス証券確定拠出年金プラン、松井証券確定拠出年金プラン、イオン銀行確定拠出年金プラン
iDeCoは公的年金を補完する制度ですから、これを活用する前提として日本の公的年金制度について勉強することを強くお勧めします。この点に関しては、権丈善一先生の『ちょっと気になる社会保障』が最良にして必読の入門書です。このほど、三訂版『ちょっと気になる社会保障 V3』が刊行されました。また、iDeCoも含めて現在の公的年金制度を徹底的に利用するための戦略書として田村正之さんの『人生100年時代の年金戦略』が非常に網羅的にまとめられていてお勧めです。家計管理から貯蓄・投資、公的年金やiDeCo・つみたてNISA活用までトータルに解説している竹川美奈子さんの『50歳から始める! 老後のお金の不安がなくなる本』も老後資金について“自分ごと”として考えるための方法論を丁寧かつ詳細に論じた優れた入門書です。
iDeCoは制度がやや複雑なので加入を検討する場合は解説書を読んで研究することもお勧めします。大江英樹さんの『はじめての確定拠出年金投資』、山崎元さんの『確定拠出年金の教科書』『シンプルにわかる確定拠出年金』、田村正之さんの『はじめての確定拠出年金』などが優れた解説書ですが、最新の制度改正にも対応した入門書として竹川美奈子さんの『[改訂新版]一番やさしい! 一番くわしい! 個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)活用入門』と大江加代さんの『最強の老後資産づくり iDeCoのトリセツ 2022年施行 法改正完全対応版』を挙げておきます。
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