はやいもので2022年もあとわずかです。このほど、SBI証券のプランで拠出している個人型確定拠出年金(iDeCo)の12月の買付(11月拠出分)が約定しました。iDeCoでは今年最後の買付となります。そのiDeCoを含めた確定拠出年金(DC)市場ですが、ここにきて資金流入上位のファンドに明確な特徴が出ているようです。ある意味、DC市場が東井sん業界の将来像を先取りしていると言えそうです。
SBI証券のiDeCoオリジナルプランで買付けたファンド・商品は以下の通りです(カッコ内は信託報酬)。いつも通りのポートフォリオとなっています。
【個人型確定拠出年金(SBI証券iDeCoオリジナルプラン)】
「三井住友・DCつみたてNISA・日本株式インデックスファンド」(0.16%)
「DCニッセイ外国株式インデックス」(0.189%)
「EXE-i新興国株式ファンド」(0.23%+投資対象ETF信託報酬0.1085%程度)
「EXE-iグローバル中小型株式ファンド」(0.23%+投資対象ETF信託報酬0.058%程度)
「野村外国債券インデックスファンド(確定拠出年金向け)」(0.14%)
「三菱UFJ DC新興国債券インデックスファンド」(0.34%)
「三井住友・DC外国リートインデックスファンド」(0.27%以内)
「あおぞらDC定期」
累積損益率は12月22日段階で+31.6%となりました。日銀による“事実上の利上げ”など金融緩和政策の変更ともとられる動きがあったことで急激な円安となり、海外資産に投資するファンドの基準価額が大きく下落しました。このためiDeCo資産の含み益も少し減りました。引き続き不安定な相場ですが、買付を続けることが積立投資のもっとも大切なポイントなので、引き続き淡々と運用を続けていきたいと思います。
さて、そのiDeCoを含むDC市場の動向に関して、モーニングスターに面白い記事が載っています。DC専用ファンドの中で資金流入上位が低コストなインデックスファンドによって独占されたそうです。
これによると、2022年11月の資金流入額上位10ファンドは、すべてがインデックスファンドとなり、9位までが先進国株式インデックスファンドで独占されました。しかも、信託報酬は0.15%という低廉なものがほとんどを占めています。記事にもあるように、「かつては、海外株式に投資するファンドは1%を超える信託報酬率が当たり前だったが、現在では0.1%台の信託報酬率が当たり前になっている」のです。
こうしたDC市場の状況は、投信業界の将来の姿を映していると言えそうです。インデックスファンドが開発・普及したことでパッシブ運用の有効性が経験的に理解される中、これまで投信業界の主流だったアクティブファンドは極めて趣味性の高い商品となっていくの避けられません。つまり、いずれ投信業界全体でも純資産残高の上位は低コストなインデックスファンドが独占し、アクティブファンドは一部の個性的なファンドが嗜好性の高い投資家によって支えられて規模以外の部分で存在感を発揮するという構図です。
おりしも2024年にはNISAが大幅に拡充される見通しとなりました。そうした制度変更も、投信業界の主流がインデックスファンドへと移行していく流れを一段と加速させそうです。現在は、まさにそういったメルクマールとなっている時代だということをDC市場の動向も示していると言えるでしょう。
【ご参考】
iDeCoに加入する場合、金融機関によって手数料や商品ラインアップが異なることに注意が必要です。現在、iDeCoプランの選択肢としてお薦めなのは運営管理手数料が無条件無料で低コストインデックスファンドをそろえるSBI証券セレクトプラン、楽天証券、マネックス証券、松井証券、イオン銀行です。iDeCoへの加入を検討している人は、これら金融機関のプランを研究することをお勧めします。いずれもネットから無料で資料請求できます。⇒SBI証券確定拠出年金プラン、楽天証券確定拠出年金プラン 、マネックス証券確定拠出年金プラン、松井証券確定拠出年金プラン、イオン銀行確定拠出年金プラン
iDeCoは公的年金を補完する制度ですから、これを活用する前提として日本の公的年金制度について勉強することを強くお勧めします。この点に関しては、権丈善一先生の『ちょっと気になる社会保障』が最良にして必読の入門書です。このほど、三訂版『ちょっと気になる社会保障 V3』が刊行されました。また、iDeCoも含めて現在の公的年金制度を徹底的に利用するための戦略書として田村正之さんの『人生100年時代の年金戦略』が非常に網羅的にまとめられていてお勧めです。家計管理から貯蓄・投資、公的年金やiDeCo・つみたてNISA活用までトータルに解説している竹川美奈子さんの『50歳から始める! 老後のお金の不安がなくなる本』も老後資金について“自分ごと”として考えるための方法論を丁寧かつ詳細に論じた優れた入門書です。
iDeCoは制度がやや複雑なので加入を検討する場合は解説書を読んで研究することもお勧めします。大江英樹さんの『はじめての確定拠出年金投資』、山崎元さんの『確定拠出年金の教科書』『シンプルにわかる確定拠出年金』、田村正之さんの『はじめての確定拠出年金』などが優れた解説書ですが、最新の制度改正にも対応した入門書として竹川美奈子さんの『[改訂新版]一番やさしい! 一番くわしい! 個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)活用入門』と大江加代さんの『最強の老後資産づくり iDeCoのトリセツ 2022年施行 法改正完全対応版』を挙げておきます。
【スポンサードリンク・関連コンテンツ】