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2022年2月12日

SBI証券が「dポイント」も付与へ―強者連合としての「dポイント経済圏」参加

 

SBI証券のポイントサービスがさらにパワーアップアップします。取引に応じて付与されるポイントを従来の「Tポイント」「Pontaポイント」のほか、2022年2月21日から新たに「dポイント」を選択することもできるようになります。


これはかなりのインパクトです。あまり目立ちませんが、じつはNTTドコモが展開する「dポイント」は携帯電話回線契約者の数を生かして多くのユーザーが存在し、ポイントを付与・使用できるサービス加盟店もかなり多い。それこそ「dポイント経済圏」を形成しています。これにSBI証券が参加したことで、投資分野で「dポイント経済圏」を取り込む可能性が出てきたからです。

今回の提携によってSBI証券では投資信託の保有額に応じて付与される「投信マイレージ」や国内株式取引手数料の一部が還元される「国内株式取引手数料マイレージ」として付与されるポイントに「dポイント」を選択できるようになります。付与条件は「Tポイント」「Pontaポイント」とまったく同じですから、ユーザーの選択肢が広がり、ポイントサービスの汎用性が一段と高まりました。SBI証券の「マルチポイント戦略」が凄まじい。

ただし、いまのところ投資信託の購入に「dポイント」を使うことはできません。ここはぜひ、「Tポイント」「Pontaポイント」に続いて「dポイント」でも投資信託を購入できるようにして欲しいものです。そうなると「dポイント」ユーザーをかなり取り込むことができるのでは。

というのも「dポイント」はNTTドコモのユーザーなら必ず持っており、ポイントサービス加盟店も多い。さらに最近はインターネットモール「dマーケット」を通じてもポイントが貯まります。そして決済によって「dポイント」が付与される「dカード」は還元率1%の高還元クレジットカードです。意外と地味ですが、じつはNTTドコモは現在、「dポイント経済圏」を構築しつつあるのです。ここにSBI証券が加わったことになります。

ちなみに私は携帯電話回線がドコモ、インターネット回線もドコモ光です。クレジットカードも「dカード」を持っており、現在はサブカードとして愛用しています。そして「dマーケット」もたまに使います。つまり、「dポイント」がザクザク貯まっています。だからSBI証券で「dポイント」での投信購入ができるようになれば、非常にありがたいわけです。

それにしてもSBI証券が「dポイント経済圏」に参加したことは、NTTドコモにとっても大きな意味がありそうです。NTTドコモは携帯電話キャリア最大手ですが、競合するKDDIとソフトバンクと比べてやや遅れを取っていたのが金融分野への参入だったからです。

現在、KDDIはグループにauじぶん銀行とauカブドットコム証券があり、「Pontaポイント」を通じて金融や投資分野でもユーザーの囲い込みを目指しています。ソフトバンクもPayPay銀行(旧ジャパンネット銀行)に加えPayPay証券を立ち上げました。つまり、携帯電話キャリアにとって銀行と証券を加えた総合金融サービスとの連携が次の主戦場になりつつあるわけです。NTTドコモは、この分野でやや出遅れていました。それが今回、SBI証券が「dポイント経済圏」に参加したことでNTTドコモとSBIグループの金融サービスが新たに連携する可能性が見えてきたのです。

SBIグループとSBI証券にとってもNTTドコモとの連携は大きな意味があるでしょう。ライバルである楽天グループと楽天証券の最大の強みは「楽天市場」と「楽天カード」による「楽天経済圏」を擁していることですが、SBIグループにはそういった強力なインターネットショッピングやクレジットカードのインフラがありません。しかし、NTTドコモと組むことで、携帯電話サービスと連動した「dマーケット」と「dカード」による「dポイント経済圏」と連携することができるのです。

だから、NTTドコモとSBI証券が組むというのは、それこそ業界最大手同士が、互いのウイークポイントを補完し合う強者連合を組んだともいえそうです。そう考えると、今回のSBI証券のdポイント参加は、ものすごいインパクトがあります。今後の行方が要注目だと思います。

【ご参考】
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