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2022年1月26日

「<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド」が96カ月連続で資金流入した意味


「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2021」でも2位にランクインしたニッセイアセットマネジメントの超低コストインデックスファンド<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド」が96カ月連続で資金流入となりました。


これは凄い記録です。投資信託にとって資金流入が続くというのは、安定した運用を実現するために欠くことのできない要素ですから、ますますファンドとしての品質が高まることが期待できます。そして、インデックスファンドの低コスト化のためにも、大いに意味のあることだと感じます。

「<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド」が設定されたのは2013年12月ですが、それから8年間にわたってつねに設定額が解約額を上回る状況が続いています。これは積立投資家を中心とした受益者から圧倒的な支持を得ている証拠でしょう。

これだけ高い支持を集めた理由は、やはり設定時から資産カテゴリー最低水準の信託報酬を実現し続けたことにあります。そして、ファンドの純資産残高が増加するのに合わせて断続的に信託報酬を引き下げたことが、その評価を決定的にしました。

日本ではファンドを新規設定してインデックスファンドの低コスト競争を戦う戦略を採った運用会社がほとんどだった時代に、「<購入・換金手数料なし>」シリーズは既存ファンドの信託報酬を引き下げることで既にファンドを保有している受益者の利益を無視しなかったわけです。こうした姿勢が多くの受益者に圧倒的に支持されています。

また、信託報酬の引き下げがつねに主体的に実施されてきたことも無視できません。例えばライバルである三菱UFJ国際投信の「eMAXIS Slim」シリーズは、つねに業界最低水準の信託報酬を追求する戦略で高い人気を得ていますが、これは見方を変えると競合ファンドが信託報酬を引き下げない限り、「eMAXIS Slim」も信託報酬を下げないという構図になっています。そうした中、「<購入・換金手数料なし>」シリーズこそが信託報酬引き下げの先鞭をつけ続けました。

現在、インデックスファンドの低コスト競争は最終局面ともいえる水準に達しましたが、その結果「<購入・換金手数料なし>」シリーズが信託報酬を引き下げない限り、競合ファンドの信託報酬も下がらないという状態が続いています。その意味を、改めて考えるべきでしょう。そして、インデックス投資家の中にはその意味に気付いている人が少なからずいるのでは。そうした人が決して少数派ではないということを、今回の96カ月連続の資金流入という結果が示しているのでしょう。

私も現在、あえて「<購入・換金手数料なし>」シリーズをいくつか購入し続けています。それは単に信託報酬が低いからではなく、このファンドが成長しない限り、日本のインデックスファンドの低コスト化の流れが継続しないという思いもあるからです。そういった受益者の期待にこれからも応えてくれることを願っています。





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