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2021年11月6日

GPIFの2021年7~9月の運用成績は+0.98%―日本に投資することにも大いに意味がある

 

年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の2021年度第2四半期(7~9月)運用状況が発表されました。7~9月の期間収益率は+0.98%、帳簿上の運用益は+1兆8763億円でした。市場運用開始来の収益率は年率+3.70%となり、運用資産額は194兆1197億円と四半期ベースで過去最高を更新しました。6四半期連続でのプラスリターンとなります。


2001年の市場運用開始以来、累積収益額は102兆1946億円となるなど、引き続き堅調な運用が続いています。2021年7~9月は、とくに分散投資の効果が出た四半期だったと言えそうです。日本の株式・債券に投資することにも大いに意味があることを示しています。

7~9月の資産カテゴリー別の騰落率を見ると、なかなか興味深い結果になりました。これまでリターンを牽引してきた外国株式が-0.77%と下落し、外国債券も-0.85%と冴えません。米国のテーパリングなど先進国での金融緩和政策の転換が観測される中で株価が下落したことになります。

これと対照的だったのが国内株式。騰落率は+5.35%と絶好調でした。GPIFは、新型コロナワクチン接種の進展で経済正常化への期待が高まったためと分析していますが、それよりも菅義偉首相(当時)が9月初に自民党総裁選不出馬を表明したことをきっかけに日本株が急騰したことが大きかったでしょう(そのあたりに触れないのはGPIFの忖度?)。また、国内債券も+0.11%と安定しています。

こうした結果は、GPIFが実践している国際分散投資の意義を改めて見せてくれます。最近は個人投資家の間で外国株式(とくに米国株)にさえ投資すればいいという考え方が目立ちますが、どうしてどうして、日本株や日本債券に投資することも大いに意味があるのです。そういうオーソドックスな運用戦略を貫徹することで、GPIFは的確にリターンを確保しているのですから。

やはり、奇を衒わないオーソドックスな国際分散投資には、なんとも言えない安心感があります。そして、こうした王道を貫徹するというのは案外と難しいものです。それを愚直に続けているところが、GPIFの運用の凄みになってきたような気がします。




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