サテライトポートフォリオで積立投資している「ひふみ投信」の2020年12月次運用報告書が出ました。12月の騰落率は+1.9%、参考指数であるTOPIX(配当込み)の騰落率は+2.97%でした。純資産残高は12月30日段階で1403億円(前月は1380億円)、ひふみマザーファンドの純資産残高は6384億円(前月は6410億円)となりました。残念ながら12月は参考指数をアンダーパフォームしています。ただ、2020年の1年間の騰落率を見ると参考指数が+7.39%に対して、ひふみ投信は+20.52%。“コロナ・ショック”による大暴落と、その後の急回復と近年まれに見る市場環境の中で驚異的な運用成績を叩き出しました。
12月は新型コロナ感染再拡大への懸念とワクチン実用化に向けた期待など強弱材料が入り混じる展開となり市場も膠着状態だったのですが、月後半になると米国の追加経済対策がまとまったことなどを受けて株価は一気に上抜けしました。ひふみ投信は、こうした動きについていくことができなかったということになります。
とはいえ、新型コロナ禍という異常な情勢の下で、1年間の騰落率が20%強というのは驚異的な数字です。思い返すと2019年あたりは、ひふみ投信を“オワコン”とみる向きも多く、実際に資金を引き上げた個人投資家も多かった。そうした中でも保有を続けた受益者というのは、ひふみ投信の投資哲学や戦略を深く理解し、納得も得心もして資金を投じていた人たちでした。そうした腰の据わった受益者にとって、2020年は素晴らしい年となりました。このあたりが、やはり投資の面白さでしょう。
2021年に入って、世界的に新型コロナウイルス感染が再拡大しており、日本でも緊急事態宣言が再発令されるなど情勢は混沌としてきました。引き続き難しい相場が続きそうです。そうした中、最高運用責任者の藤野英人さんは次のように書いています。
これから足元の感染者数の拡大と、半年から1年後にかけてワクチンが普及して感染者数が縮小する予想との間で、板挟みの相場が続いていくでしょう。市場動向としては神経質な相場に移行していくと考えています。そのような神経質な相場で重要なのは大局観です。足元の細かいセンチメントの変化にとらわれず、おおらかにきちんと成長できる会社を発掘するかどうかが重要であり、それはそもそもひふみの強いところであります。
引き続き「大局観」と「大らかさ」を失わずに運用を続けて欲しいと思います。受益者として、今後の運用に大いに期待したいと思います。
【ご参考】
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