この記事は氷河期ブログを運営されているななしさんが企画してくれたベストバイストック2020に参加したものです。みとべ@つみたて母さんの記事「【2020年ベストバイ・ストック】熱い投資魂がなくても大丈夫」からバトンを受けての投稿です。さて、私の2020年のベストバイストックは日本の個別株からNTT(9432)です。
じつは私の日本の個別株ポートフォリオのコア銘柄のひとつにNTTドコモがありました。ところがご存知の通り今年、NTTによってTOBされてしまいました。この結果、NTTドコモ株を手放し、TOBによるプレミアムも含めてかなりの利益が出たのですが、問題はその資金で何に再投資するかです。いろいろ考えた結果、選んだのがNTT。日本株ポートフォリオに通信関連銘柄をどうしても入れておきたかったので、そうなると選択肢はNTTの一択だと考えました。
なぜNTTの一択となるのかというと、そもそも今回のNTTドコモに対するTOBによって、政府も含めてNTTという会社の位置付けが大きく変わったように感じたからです。NTTは旧電電公社ですから、日本における通信インフラを圧倒的に独占しています。さすがに独占の程度が過ぎるので、政府の意向で移動体通信事業をNTTドコモとして分社化・上場し、さらにKDDIやソフトバンク(旧ボーダフォン)にも移動体通信事業に参入させることで競争環境を維持してきた経緯があります。ところが今回、NTTがNTTドコモを完全子会社化した。当然、そこには政府の意向があると考えるのが自然でしょう。ある意味で政府が日本における通信事業でNTTの独占を認めたとも思えます。
ここからは私の投資ストリーです。今後、5Gなどをめぐって熾烈な国際競争が加速します。そこでは莫大な投資が必要となるわけですから、恐らくどの国も複数の企業が競争に参加していては勝てない。それこそ各国が代表企業にインフラ、技術、資金を集中させることで戦わざるを得なくなります。日本の場合、それがNTTなのでしょう。今後、NTTグループは「日本代表」としてグローバルな戦いの場に打って出ることを政府から求められている。その代償として、国内での独占を認められたのではと考えました。
そして実際にそうとしか思えない動きが始まっています。NTTの完全子会社となったNTTドコモは矢継ぎ早に新料金プランを打ち出し、国内の同業他社に対してダンピング攻勢とも思えるようなパワーゲームを仕掛けています。そもそもNTTは通信インフラを独占している以上、本気でパワーゲームになれば、もはや勝敗は決しているのでは。それは国内の競争環境という面で極めて不健全ですが、国際競争を前提とすればやむを得ないと、すくなくとも政府は考えているように感じます。そもそも政府による携帯料金引き下げ圧力自体が、NTTによる独占を認めることを覆い隠す煙幕だったのではないかと疑っています。そういった国家資本主義的色彩が現在の菅政権には強いのですが、同時にインフラ事業というのはどこ国でも国家資本主義的に運営せざるを得ないというのもまた現実です。
こうしたことを考えると、日本の通信関連銘柄に投資するならNTTしかありえません。KDDIやソフトバンクの株主さんには申し訳ないですが、もはや問題は国内の移動体通信事業ではありません。それはすでに“終わった問題”になりつつあるからです。漫画「キャプテン翼」に例えるなら、小学生編・中学生編が終わり、ジュニアユース編に突入したということです。今後、NTTは全日本ジュニアユースの翼君のように通信分野の日本代表としてチームの中心として世界で活躍することが期待されます。そして、全日本ジュニアユースに各校のエースが集められたように、NTTを中心に日本の情報通信関連企業がチームを結成し、国際競争を戦うことが政府の構想なのでしょう。
NTTドコモ株を売却した資金でNTT株を購入してから、世界的な相場好調もあって株価は順調に上昇しています。でもNTTに投資したのはそのような短期的な値動きを期待してではありません。もっと長期的視点から、かなり面白いことになるのではと期待しています。その意味で「2020年ベストバイストック」というよりも、「将来に向けたベストバイ」です。ぜひNTTには今後、翼君のようにドライブシュートを連発して欲しい。そして情報通信分野における日本代表として活躍することを期待しています。
さて、明日12月20日の【ベストバイストック2020】は、りんり@S&P500ETF(VOO)さんです。乞う御期待。
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