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2020年12月31日

「明」と「暗」が同居した1年間―2020年の運用成果と資産状況

 

12月30日で東京証券取引所も大納会となり、米国株式市場も31日で2020年の取引を終えます。今年は新型コロナウイルス禍一色の1年となり、事態はまだ現在進行形ですが、株式相場はじつに皮肉な展開をたどりました。春先の“コロナ・ショック”による大暴落と、その後の急回復はそれこそ歴史的な出来事だったかもしれません。一足先に取引を終えた日本株も終わってみればじつに好調な結果となっています。


“コロナ・ショック”による大暴落の際に、現在の状況を予想できた人がはたしていたでしょうか。将来の株価を予想することの困難さをまざまざと見せつけられた1年だったと思います。そんな中、今年も無事に投資を継続することができ、ブログも続けることができました。改めて1年間のご愛読に感謝です。2020年最後の更新となりますので、今年1年間で資産がどれだけ増えたのか簡単に計算した上で紹介したいと思います。「明」と「暗」が同居した1年間だったことが鮮明に表れています。

例年と同様、資産管理に活用している「マネーフォワードME」を使って確認しました。あくまで簡便な計算なので厳密な数字ではありません。また、例によって具体的な金額は書きません。白いバンに襲われるの避けなければなりませんから。

まず、リスク資産(個別株、投資信託<iDeCo含む>)と無リスク資産(普通預金、定期預金)を合わせた金融総資産は2019年12月末との比較で3.4%増となりました。今年は新型コロナウイルス禍による経済活動停滞で私の勤務先も業績が急激に悪化し、年収が大きく減っています。このため無リスク資産は若干の減少でした。にもかかわらず総資産を増やすことができたのは驚くべきことです。

収入減少にも関わらず資産を増やすことができたのは、リスク資産の成長があったからにほかなりません。こちらは前年比9.1%増となりました。もちろん積立投資による追加資金投入がありますから、それを考慮したディーツ簡便法による年間パフォーマンスは+8.55%となります(計算にはバリュートラストさんの時間加重収益率計算機を使いました)。


グラフでは株式(現物)が大きなウエートを占めますが、ここには自分が買った日米の個別株のほかに祖父から受け継いだ関西電力株と、インデックス投資をスタートさせたときに一括投資したETFが含まれています。また、年金の部分はiDeCoです。見ての通り“コロナ・ショック”で大幅な減少となりましたが、その後の回復・上昇で最終的に評価額は過去最高を更新しています。

私は国内外の株式だけでなく先進国債券や新興国債券も含めたグローバルポートフォリオでの運用を行っているので、さすがに株式だけの上昇率にはかないませんが、それでも素晴らしいパフォーマンスの1年となりました。しかも無リスク資産が若干の減少だったわけですから、まさに今年はリスク資産への投資が資産全体を守ってくれたことになります。

本当に今年は自分の資産形成というものについて、いろいろと考えさせられる1年間でした。ひとつは、やはり「市場に居続けること」の重要性です。もし“コロナ・ショック”による大暴落の際に市場から撤退していたら、今年の運用成績は悲惨なことになっていたでしょう。もう一つは、私個人の中で「明」と「暗」が同居していることです。新型コロナウイルス禍の影響で勤務先企業は経営危機となり、リーマン・ショック以来の大幅な収入減少に見舞われる一方、資産は過去最高となっています。

もはや現代においてリスク資産への投資による資産運用というのは、ある種の生活防衛手段のなったのだと確信しました。とくに私のように零細企業で働くサラリーマンにとっては、現在のような経済危機下では収入が減少するリスクの方が、投資リスクよりも大きいからです。そして、そのように感じているのは私だけではないようです。

現在、世界的に若い世代が株式投資を始める動きが強まっています。これは、従来のように「ちょっと儲けたい」といった安易な考えからの動きではないと思う。もっと悲壮で、真摯な考えからの現象です。この点に関して「じっちゃま」こと広瀬隆雄さんも次のように指摘しています。


新型コロナウイルス禍は、これまで徐々に起こっていた社会の変化を一気に加速させた面があるわけですが、これは投資や資産運用についても当てはまりそうです。どうやら世界的に資産運用の意味合いが根本的に変わったのではないでしょうか。今後、“生活防衛手段としての資産運用”という考え方が日本でも徐々に広がっていくような気がします。そして、そのための方法論は、やはり長期・分散・積立投資という方法が有効でしょう。それがグローバルスタンダードだからです。

まもなく2021年が始まります。新型コロナウイルスの感染拡大は依然として収まる気配がなく、実体経済の先行きも依然として厳しいまま。なにより私個人の生活も、収入減少で家計は厳しさを増すばかり。たとえ保有資産が過去最高水準にあるといっても、まったく楽観する気にはなれません。2021年は今年以上に厳しい環境が続くと覚悟し、とにかく積立投資を続けながらバランスシートの修復に努めようと思います。ブログの更新頻度はさらに下がるかもしれませんが、引き続きご愛顧いただければ幸いです。

それでは皆さん、良いお年を。

【ご参考】
資産や日々のキャッシュフローを管理するのに便利なのが家計簿アプリ・ソフトウエアです。私は「マネーフォワードME」を使っていますが、非常に使いやすいアプリとしてお勧め。無料の機能だけでも十分に使えますが、有料版を導入しても十分に価格に見合う価値があります。⇒「マネーフォワードME」




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