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2020年11月5日

ブレイシーズ(サスペンダー)には、ほとんどメリットしかない

 

前回の記事でスーツスタイルに合わせるべきアイテムとしてロングホーズを紹介したのですが、ついでにもうひと愛用しているアイテムを紹介します。それはブレイシーズ、ズボン吊りです。ブレイシーズというのは英国の言い方で、日本では米国英語のサスペンダーの方がなじみがあるでしょう。欧米では一般的なアイテムですが、日本で使っている人は少数派かもしれません。ただ一方で、日本でも熱烈な愛好家がいます。実際に使ってみると根強い人気があるのがよく分かります。はっきり言って、ほとんどメリットしかないからです。

スラックスをはくときはベルトを使うのが一般的でしょうが、どうしてもスラックスがずり落ちてきて、日に何度も上げる直す動作をしてしまうのでは。また、スーツのスラックスのウエストサイズはヌードサイズから指2本入るくらいのゆとりを取って作る方が奇麗なラインが出るのですが、ベルトだとウエストを締め付けるので余計なシワが入り、全体のシルエットを損ないがちです。

また、スリーピースを着る場合、ベルトだとウエストコート(ベスト)のアンボタンの隙間からバックルの金具が見えることも。これは非常にダサい。よくホストのお兄ちゃんなんかが、異様に股上の浅いスラックスのスリーピーススーツを着て、腰のベルトのバックルが丸見えというスタイルを見かけますが、あれなどはスーツのスタイリングとしては全くの邪道です。

こうした問題をすべて解決してくれるのがブレイシーズです。スラックスを肩から吊り下げるので、ずり落ちることはまずありません。ウエストを過度に締め付けないのでスラックスのラインもキレイに出ます。なにより、慣れるとベルトよりも圧倒的に快適なのです。このため、いちどブレイシーズを使い始めると、もう止められなくなります。はっきり言って、もうメリットしかありません。なので、プロのテーラーもブレイシーズを推奨しています。


そんなわけで私はスーツ、とくにスリーピースを着るときはほぼ100%、ブレイシーズを愛用しています(もちろんベルトをまったく使わないわけではありません。ジャケパンスタイルで股上の浅いスラックスやチノパン、ジーンズなどカジュアルパンツをはくときはベルトを使います)。ブレイシーズを使うようになってから、スーツの方が着ていて楽に感じようになったぐらいです。

さて、そのブレイシーズですが、やはりいろいろなブランドがあります。なかでも有名なのが英国の「アルバートサーストン」。さすが一流ブランドだけあって素晴らしい品質ですが、値段も超一流。なかなか手が届きません。そこでお勧めなのが手ごろな価格の国産ブランドになります。私が愛用しているのが「タニワタリ」。明治36年から「谷渡り人物印」の商標で知られる日本を代表するブレイシーズのブランドです。値段も手ごろで、非常にコストパフォーマンスが良いでしょう。

ほとんどの百貨店の紳士用品売り場などに並んでいるので、商品を探すのも簡単。また、ネット通販サイトもあります。こちらではアウトレット品も格安で販売されており、非常にお得。実際にアウトレット品を購入したことがありますが、使用上の問題は全くありませんでした。


最近はスーツのトレンドも“クラシック回帰”が続いており、ブレイシーズも注目のアイテムになりつつあります。最初はなんとなく抵抗があるかもしれませんが、関心のある人はぜひ挑戦してみてください。スーツの着心地が一変するはずです。




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