先日、久しぶりに妻と食事に出かけたのですが、ちょっとショックなことなありました。贔屓にしていた洋食屋さんが閉店していたのです。理由は新型コロナウイルス禍による客数減だそうです。改めて実体経済の厳しさを実感しました。現在、株価こそ足早に回復していますが、現実の経済情勢がそれに追いついていません。それどころか“コロナ・ショック”の影響が本格化するのは、これからなのかもしれません。
この土曜日は冷蔵庫の中身も乏しくなっていたので、久しぶりに妻と外食しようということになりました。妻が「ハンバーグが食べたい!」と言い出したので、大阪・梅田にある贔屓の洋食屋に行くことに。リーズナブルな値段で美味しいハンバーグやエビフライを食べることのできる店として夫婦ともどもお気に入りでした。
ところ店に着いてびっくり。シャッターが下りていたのです。そこには張り紙がしてあり、新型コロナ禍による営業不振から閉店することになったと書かれていました。二人ともちょっとショックで顔を見合わせてしましました。
結局、その日は別の店に入ったのですが、食事の最中も閉店してしまった洋食屋さんの話に。ちょっと寂しい食事になりました。新型コロナ禍で飲食店の大量閉店が起こっているということは知っていましたが、実際に自分の行きつけの店が閉店したことで、肌身で事態の深刻さを感じたわけです。
現在、世界各国の中央銀行と政府による未曽有の金融緩和と財政政策が実施されていることで、株式市場は“コロナ・ショック”から一足先に回復したかのように見えます。このため個人投資家の間にも奇妙な楽観論があるのですが、現実はそれほど単純ではないと思う。実体経済の回復か、まったく追いついていないからです。そういえば、ニッセイ基礎研究所が次のようなレポートを発表しています。
雇用関連統計20年8月-労働市場には明るさもみられるが、失業率はさらに上昇する可能性大(ニッセイ基礎研究所)
私は、様々な経済指標の中でも実体経済の状況を最もビビットに映すのは失業率だと思っているので、現在の労働市場の状況には大きな不安を感じてしまいます。確かに海外と比較すれば、現在の日本の失業率は低水準です。しかし、それは雇用調整助成金の特例措置によって下支えされていることを無視できません。そして、特例措置はいずれ期限切れ迎えます。
こうしたことを考えると、“コロナ・ショック”の影響が本格化するのはこれからなのかもしれません。少なくとも株価が回復したからと言って手放しで安心できるような状況にはないということを個人投資家も理解しておくべきです。明らかに現在は、楽観できる段階ではありません。いまこそ個人投資家は改めてシートベルトを締め直し、自分のリスクの取り方が適切なのかどうかを確認する時ではないでしょうか。
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