“コロナ・ショック”で株式が大暴落し、私も保有資産が大きく目減りしています。そんな中、SBI証券のオリジナルプランで拠出・運用している個人型確定拠出年金(iDeCo)の3月の買付(2月拠出分)が約定しました。一時は20%を超えていた累積損益率も-9.1%(3月20日段階)に。久しぶりのマイナス転落です。ただ、iDeCoの資産は60歳まで引き出しできませんから、途中の収益率は何の意味もありません。逆に現在のような下落相場でも淡々と拠出・買付を続けることが将来のリターンの前提条件となります。そう考えると、これからiDeCoを始めようと思っている人にとっては、今は絶好の始め時かもしれません。
SBI証券のiDeCoオリジナルプランで買付けたファンド・商品は以下の通りです(カッコ内は信託報酬)。いつも通りのポートフォリオとなっています。
【個人型確定拠出年金(SBI証券iDeCoオリジナルプラン)】
「三井住友・DCつみたてNISA・日本株式インデックスファンド」(0.16%)
「DCニッセイ外国株式インデックス」(0.189%)
「EXE-i新興国株式ファンド」(0.23%+投資対象ETF信託報酬0.131%程度)
「EXE-iグローバル中小型株式ファンド」(0.23%+投資対象ETF信託報酬0.104%程度)
「野村外国債券インデックスファンド(確定拠出年金向け)」(0.14%)
「三菱UFJ DC新興国債券インデックスファンド」(0.34%)
「三井住友・DC外国リートインデックスファンド」(0.27%以内)
「あおぞらDC定期」
積み立てている商品のうち、収益率がプラスになっているのは定期預金のほかは先進国債券インデックスファンドだけで、あとはすべてマイナス転落しました。いかに今回の下落が激しいものになっているかが分かります。同時に、やはり分散投資はリスク低減に有効だということも改めて確認できます。今後、さらに下落が続くようでしたら緊急リバランスの実施も視野に入れています。
損益率がマイナス転落したとしてもとくに慌てる必要はありません。積立投資というのは、現在のような下げ相場でも積立を継続することが絶対に必要な投資手法だということはこのブログでも常々指摘してきました。なによりiDeCoの資産というのは60歳まで原則として換金できませんから、拠出途中での損益には何の意味もないからです。逆に現在のような下げ相場でも積立を続けることが将来のリターンにとって極めて重要なのです。
その点でiDeCoには優位性があります。なぜなら給料天引きや銀行口座からの引き落としによって自動的に積立が継続されるからです。世界中の投資家がパニックとなり、リスク資産を投げ売りしている中でiDeCoの加入者はその資産を淡々と格安で購入しているわけです。こうした観点から考えると、いったん加入すれば60歳までは原則脱退できないという仕組みも、じつはメリットだったということに気づくでしょう。
つまりiDeCoのような積立投資では、積立している間に何度か大きな下落相場が不可避だし、逆にそういった下落相場で積立を続けることが将来のリターンの源泉だということです。そう考えると、まだiDeCoに加入していない人で、これからiDeCoに加入しようかと考えている人にとっては、現在の下落相場というのは絶好の始め時、エントリーポイントになるかもしれません。この点に関して広瀬隆雄さんが面白い動画をアップしていました。
しばらくは低迷相場が続きそうですから、iDeCoに感心のある人はこの機会にじっくりと研究してみるのもいいかもしれません。
【ご参考】
iDeCoに加入する場合、金融機関によって手数料や商品ラインアップが異なることに注意が必要です。現在、iDeCoプランの選択肢としてお薦めなのは運営管理手数料が無条件無料で低コストインデックスファンドをそろえるSBI証券セレクトプラン、楽天証券、マネックス証券、松井証券、イオン銀行です。iDeCoへの加入を検討している人は、これら金融機関のプランを研究することをお勧めします。いずれもネットから無料で資料請求できます。⇒SBI証券確定拠出年金プラン、楽天証券確定拠出年金プラン
iDeCoは公的年金を補完する制度ですから、これを活用する前提として日本の公的年金制度について勉強することを強くお勧めします。この点に関しては、権丈善一先生の『ちょっと気になる社会保障』が最良にして必読の入門書です。このほど、三訂版『ちょっと気になる社会保障 V3』が刊行されました。また、iDeCoも含めて現在の公的年金制度を徹底的に利用するための戦略書として田村正之さんの『人生100年時代の年金戦略』が非常に網羅的にまとめられていてお勧めです。家計管理から貯蓄・投資、公的年金やiDeCo・つみたてNISA活用までトータルに解説している竹川美奈子さんの『50歳から始める! 老後のお金の不安がなくなる本』も老後資金について“自分ごと”として考えるための方法論を丁寧かつ詳細に論じた優れた入門書です。
iDeCoは制度がやや複雑なので加入を検討する場合は解説書を読んで研究することもお勧めします。解説書としては大江英樹さんの『はじめての確定拠出年金投資』山崎元さんの『確定拠出年金の教科書』『シンプルにわかる確定拠出年金』竹川美奈子さんの『一番やさしい! 一番くわしい! 個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)活用入門』田村正之さんの『はじめての確定拠出年金』大江加代さんの『図解 知識ゼロからはじめるiDeCo(個人型確定拠出年金)の入門書』を挙げておきます。
【スポンサードリンク・関連コンテンツ】