6月もあとわずかです。今月は胆石性胆嚢炎のため入院・手術するなどプライベートで大変な月でした。それでも淡々と投資を継続できるのが自動積立の強みです。一方、入院中にニュースを見ていると、世の中はいわゆる“老後資金2000万円報告書”による年金騒動。なんともバカバカしい話です。いつの時代も老後資金を自分で用意するのは当たり前の話。いまごろ何を言っているのだろうというのが正直な感想です。たしかに今まで資産形成をしていなかった人からすれば「いまさら言われても、もう手遅れだ」と思ってしまうのかもしれません。実際に手遅れなのかもしれません。しかし、手遅れだけど手遅れにならないようにすることも資産形成の意義なのです。
今月買付けたファンドは基本的にいつもの通りです。
【特定口座(SBI証券)】
「ニッセイ日経225インデックスファンド」
(信託報酬:税抜0.25% 信託財産留保額:なし)
「<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド」
(信託報酬:税抜0.109% 信託財産留保額:なし)
「eMAXIS Slim新興国株式インデックス」
(信託報酬:税抜0.189% 信託財産留保額:なし)
「Funds-i新興国債券・為替ヘッジ型」
(信託報酬:税抜0.6% 信託財産留保額:0.3%)
「世界経済インデックスファンド」
(信託報酬:税抜0.5% 信託財産留保額:0.1%)
「iTrust世界株式」
(信託報酬:税抜0.89% 信託財産留保額:なし)
積立額も従来通りです。なお、「<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックス」は6月27日から信託報酬(税抜)が0.0999%に引き下げられます。先進国インデックスファンドの信託報酬が0.1%未満となるなど受益者として非常にありがたいことです。
さて、金融庁の報告書騒動で図らずも老後に向けた資産形成への関心が高まりました。この問題が想像以上に社会的関心事となった要因の一つは、やはり老後に向けた資産形成について“自分ごと”として具体的に考えていなかった、あるいは考えていたものの行動に移せていなかった人が多かったからでしょう。そういう人からすれば「いまさらそんなこと言われても、もう手遅れじゃないか」という感情を抱いてしまうのは無理からぬことかもしれません。
では、実際に手遅れなのでしょうか。この点に関して投資教育の推進で活躍している岡本和久さんが非常に面白いエセーを書いています。
今月のひとこと(「インベストライフ」2019年06月05日号)
以前、セミナーに参加したある夫婦と8年ぶりに再会した岡本さんは、その夫婦から「今日はお礼を言いにきました。あの時、岡本さんの話を聞いてグローバルなファンドで積立投資を始めました。おかげで退職後の生活のメドが立つほどになりました」と言われます。また、別の人からも「15年前に岡本さんと出会って投資を始めたおかげでゆとりのあるリタイア生活がおくれています」とお礼を言われたそうです。
その一方で、やはり15年ぶりに再会したセミナー参加者から。「あの時に本当に積立投資をしようと思ったのです。でも、忙しさにまぎれて実行しなかったのです。もう、手遅れでしょうか」ともいわれたそうです。これに対する岡本さんの答えが素晴らしい。以下に引用します。
「そう、手遅れですね。15年前に戻ることはできませんから。でも、もっと手遅れになりたくなかったら今、始めることですよ」と私はお答えしました。要は国任せでも、企業任せでもなく、自分任せになることが大切なのです。
もはや何も付け加えることはありません。過ぎ去った時間は取り戻せないのだから、たしかに手遅れかもしれない。しかし、手遅れだけど手遅れにならないために今から行動するしかない。これこそ資産形成の神髄なのだと改めて感じました。
【関連記事】
『公的・企業年金運用会社の元社長が教える波乱相場を〈黄金のシナリオ〉に変える資産運用法 かんたんすぎてすみません。』―これから投資を始めようとする人は必読
【ご参考】
積立投資についての入門書としては、カン・チュンドさんの『忙しいビジネスマンでも続けられる 毎月5万円で7000万円つくる積立て投資術』と星野泰平さんの『終わりで大きく儲かる「つみたて投資」』、そして水瀬ケンイチさんの『お金は寝かせて増やしなさい』が参考になります。ぜひ参照してみてください。
【スポンサードリンク・関連コンテンツ】