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2018年12月26日
含み損の活用法―損益通算で税金を繰り延べる
24日のニューヨーク、25日の東京と株式相場は大幅な下落となりました。今回の下げは、さすがにちょっとしびれました。おかげで保有しているリスク資産も個別株を中心に含み損に転落するものが増えています。投資家にとって含み損を抱えるのは気分のいいものではありません。そこでちょっとこれを活用することに。損出しの売買を行い、損益通算で税金を繰り延べることにしました。
株式など金融資産は課税口座で保有している場合、譲渡益や配当に対して分離課税で20%の税金がかかります。この時に同じ課税区分の金融商品で売却損などがあると、それと利益を相殺することできるのが損益通算です。損益通算によって課税対象となる利益が減少する、あるいはなくなることで課税を抑えることができ、払いすぎた税金も還付されます。
同じ証券会社の特定口座(源泉徴収ある)だけで取引をしている場合は、とくに手続きは必要ありません。売買と配当などによる損益は自動的に通算され、源泉徴収された税金も自動的に戻ってきます。異なる証券会社の口座での取引を損益通算するには確定申告が必要になります。
この仕組みを利用して、含み損となっている資産を売却し、意図的に損失を確定するのが、いわゆる「損出し」というやつ。売却した銘柄を引き続き保有したい場合は売却してから後日買い戻すことになります(なお、同一日に売買すると買いが先に計算されて買付平均単価が変化してしまい、損出しの効率が低下します。どうしても同一日に売買して相場変動のの影響を抑えたい場合は信用口座を使ったクロス取引がありますが、これは投資上級者向けでしょう)。
こうすることで帳簿上で損失が確定します。これを同じ課税区分で得た譲渡益や配当の利益と通算することで課税対象額を少なくして、税金を節約することができます。より厳密にいうと、課税を繰り延べることができる。確定した損失は3年間は繰り越せるので、損益通算による配当などへの課税繰り延べ効果は想像以上に大きいです。
私自身はこれまであまり損益通算による課税繰り延べに頓着していなかったのですが、最近は配当収入が大きくなってきたので、それにともなって配当課税の重みも増してきました。また、今年は結婚準備で現金が必要になってことから投資信託も少し売却しており、ここでも譲渡益に対して課税されています。そこで今回は損出しによる損益通算で税金を取り戻すことにしました。
ちなみに売却したのはGE。もうびっくりするぐらいの含み損になっているのでたっぷりと損出しできました。もちろんGEは引き続き保有しておきたかったので翌日に同じ株数を買い直しています。かなりの損失を確定したことになるので、十分に他の保有銘柄からの配当に対する税金を繰り延べできるでしょう。これが含み損の活用法です。
損益通算による課税繰り延べは、インデックスファンドの乗り換えにも利用できます。例えば含み損になっている個別株やETF、投資信託から損出しした上で含み益のあるファンドを売却し、別のファンドを購入する。こうすれば課税ロスを抑えながら信託報酬の高いファンドから安いファンドへの乗り換えができるわけです。確定申告が必要な場合も含めて少し面倒くさいところもありますが、ある程度は投資に慣れてきた中級者なら挑戦してみても面白いともいます。
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