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2018年11月26日
2025年の大阪万博でも“混ぜるな!危険”を見せてほしい
2025年の国際博覧会(万博)の開催地が大阪に決まりました。万博開催に関してはいろいろな意見がありますが、やはり大阪人としては素直にうれしいです。それで思ったのですが、やはり2025年の大阪万博でも、1970年の万博同様に、いかにも大阪らしい“混ぜるな!危険”と思えるようなチャレンジを見せてほしいと思います。
日本での万博と言えば、やはり1970年の大阪万博(EXPO'70)が真っ先に挙げられるわけですが、私のようにリアルタイムで体験していない世代からすると、調べれば調べるほど化け物のような催しだったという印象を持ちます。なにしろ運営・演出に携わっていた人材が、いまから考えると化け物ぞろいです。
まず、総合プロデューサーが岡本太郎。会場の総合設計は丹下健三です。その下に黒川紀章や菊竹清訓も参加しています。シンボルマークのデザインは大高猛でした。テーマ館サブプロデューサーには小松左京の名前もあります。事務方では日本万国博覧会協会の会長理事が石坂泰三、事務総長理事は新井真一、そして鈴木俊一です。とにかくアブナイ人物ばかりで、それらが一堂に会して仕事をするわけですから、まさに「混ぜるな!危険」状態です。
そういった危険な化学反応の例としてよく挙げられるのが岡本太郎の制作した「太陽の塔」です。これは丹下健三が設計した「お祭り広場」に設置されていますが、丹下の設計では当初、お祭り広場全体を大屋根が覆っていました。岡本は、これをぶち破る形で太陽の塔を設置しようとし、このためお祭り広場の設計変更をめぐって岡本と丹下が大喧嘩になったという都市伝説があります。
ところが実際は喧嘩なんかしてないという関係者の証言があります。案外と丹下は岡本案に賛同していたのでは。ここからは個人的な妄想ですが、岡本が「芸術は爆発だ!屋根をぶち抜いて塔をそそり立たせるぞ」と言い出した時に、丹下も「岡本君、いいね」とか言い出して、二人でノリノリで図面を引きなおす姿を想像してしまいます。こういう形式主義や前例主義にとらわれない実戦主義というか現場主義こそが大阪らしいと思う。だからこそ文化史的にも1970年の大阪万博は伝説になったのでしょう。
これから2025年の大阪万博に向けて具体的なデザインが始まります。ぜひスタッフには1970年のときのようにアブナイ人間を集めて、危険な化学反応を見せてほしい。岡本太郎に倣って、大阪で「爆発」による「お祭り」を見たいと思うのです。
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