久しぶりに株式相場が世界的に下落する調整局面を迎えました。私もリスク資産のポートフォリオは評価額が少し下がり、最近に積み立てを始めたファンドは含み損状態になっています。恐らく「つみたてNISA」などで積立投資を始めた人も似たよな状態でしょう。確かに含み損というのは気分の良いものではなりません。ただ、積立投資家の場合、ちょっと独特に認識を持つ必要があります。これは身も蓋もない話ですが、下落相場がないと積立投資家は困るのです。
積立投資と一括投資のどちらが優れているのかは一概には判断できません。投資効率の面では一括投資に優位性があるけれども、一方で積立投資は買い付け価格が投資期間中の平均に収斂するため高値掴みを避けやすいという利点があります。また、一括投資と積立投資のどちらが儲かるのかも、投資期間の値動きの“形”に左右されます。右肩上がりの相場なら一括投資のほうが儲かりますし、下落が続いた後に相場が回復するようなパターンだと積立投資の方が儲かります。
これは言い換えると、下落相場がなければ積立投資は儲からないということです。それどころか、含み損になる時期がないような右肩上がりの相場なら一括投資していた方が良かったわけであり、それこそ積立投資家は立つ瀬がありません。つまり、積立投資というのは一定期間は含み損状態になることをあらかじめ織り込んだ投資方法だということです。
このことを理解すれば、現在のような下落相場や調整相場になったときに積立投資家がとるべき戦略も明確です。一括投資家なら一時的に相場から撤退するのも有効な戦略ですが、積立投資家にはその選択肢はあり得ません。逆に含み損状態になってからも積み立てを続けるところに積立投資が成功するかどうかの分岐点がある。それはしんどいことかもしれないけど、それを実行する覚悟があってこそ積立投資家になることが出来るとも言えます。
では、相場がいつまでも回復せずに下落を続けた場合どうなるか。これはあきらめるしかありません。しかし、その場合でも同じくバイ&ホールドを続けた一括投資家よりは損は少ないでしょう。積み立てを続けていれば、平均買付価格も低下しているからです。そういう一種の割り切りをもって投資を続けているのが積立投資家という存在なのです。そんな積立投資家の割り切った発言を最後に紹介しておきます。
積み立て投資家としては、たまには下げ相場がやってきてくれないと、積み立てスタンスにしている意味が半減してしまう。なんでもこい!— 虫とり小僧 (@mushitori) 2018年10月11日
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