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2018年10月20日

新興国株式への投資とリバランスの関係―2018年10月の個人型確定拠出年金(iDeCo)積立と運用成績



例年のことですが10月は仕事が非常い忙しい。そのためブログの更新頻度も下がっています。こういう時こそ自動設定された積み立て投資というのは便利なものです。SBI証券で加入している個人型確定拠出年金(iDeCo)の10月の買付が約定しました(9月拠出分)。10月は世界的に株式相場が大幅に下げたこともあり、10月19日段階での累積リターンは+11.4%となり、前月から大きく減少しています。とくに新興国株式の下落がひどい。含み益がほとんどなくなってきました。しかし、こういったボラティリティの大きさも積み立て投資ではとても大切な要素です。ポイントは、リバランスをきちんとやることです。

SBI証券のiDeCoプランで買付けているファンド・商品は以下の通りです(カッコ内は信託報酬)。

【個人型確定拠出年金(SBI証券iDeCoプラン)】
「三井住友・DCつみたてNISA・日本株式インデックスファンド」(0.16%)
「DCニッセイ外国株式インデックス」(0.189%)
「EXE-i新興国株式ファンド」(0.23%+投資対象ETF信託報酬0.131%程度)
「EXE-iグローバル中小型株式ファンド」(0.23%+投資対象ETF信託報酬0.104%程度)
「野村外国債券インデックスファンド(確定拠出年金向け)」(0.21%)
「三菱UFJ DC新興国債券インデックスファンド」(0.52%)
「三井住友・DC外国リートインデックスファンド」(0.28%以内)
「あおぞらDC定期」

SBI証券のiDeCoは11月1日から新プラン「セレクトプラン」の受付を開始しますが、移換するかどうかはしばらく様子を見ます。旧プランのラインアップも、それほど悪い内容ではありませんから。このあたりは移換によるコストダウンの効果と、その手間暇のバランスをどのように考えるかですから、加入者によって考え方が変わってくるのだと思います。

それよりも久しぶりに保有ファンドの評価額を見て、新興国株式ファンドの下落がかなりひどいということに改めて気づきます。やはり今年は新興国株式にとって非常に厳しい1年になっていることがわかります。私のポートフォリオを見ても、年初はかなりあった新興国株式ファンドの含み益がほとんどなくなってきました。

ただ、あまり心配していません。というのも、実は新興国株式についてはすでに一部を利益確定しているからです。私はいつも年初のタイミングでリバランスを実行しています。新興国株式は昨年、非常に好調だったことでポートフォリオでもかなりのオーバーウェイトになっていました。そこで今年初のリバランスの時に一部を売却し、逆にアンダーウェイトになっていた定期預金にスイッチングしていました。結果的に、まずまずのタイミングで新興国株式の一部を利益確定できたことになります。

そして今年は一転して大幅下落となっています。この調子だと今年末には新興国株式はアンダーウェイトになる公算が高い。そうなると、次のリバランスの際には、今度はオーバーウェイトになっている他のファンドを一部売却したり、定期預金からのスイッチングで新興国株式ファンドを買い増しすることになるはずです。やはり結果的に一種のナンピン買いをすることになるわけです。これが、いわゆる“リバランス・ボーナス”が発生する仕組みです(かならず発生するわけではない)。

新興国株式のようにボラティリティの大きい資産クラスは、集中投資するにはリスクが高い。しかし、他の資産クラスとの組み合わたポートフォリオを作り、きちんとリバランスしていれば、結果的に利益確定とナンピン買いを繰り返すことになり、なかなか効果的な運用ができるのではないかというのが私の基本戦略なのです。この戦略がどこまで成功するのかわかりませんが、新興国株式への投資とリバランスの関係を非常に重視していることは確かです。

ちなみに、あまり頻繁にリバランスするのはお勧めしません。利益確定もナンピン買いも、タイミングが早すぎるとかえって失敗の原因となるからです。せいぜい年1回ぐらいがちょうどいいのではないかというのが個人的な印象です。

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【ご参考】
iDeCoは金融機関によって手数料や商品ラインアップが異なります。現在、iDeCoプランの選択肢としてお薦めなのは運営管理手数料が無条件無料で低コストインデックスファンドをそろえるSBI証券、楽天証券、マネックス証券、イオン銀行、松井証券です(SBI証券は11月1日から新プランの受付も開始)。iDeCoへの加入を検討している人は、これら金融機関のプランを研究することをお勧めします。いずれもネットから無料で資料請求できます。⇒SBI証券確定拠出年金プラン楽天証券確定拠出年金プランイオン銀行確定拠出年金プランマネックス証券確定拠出年金プラン松井証券確定拠出年金プラン

また、iDeCoは、やや制度が複雑なので解説書を読んで研究するのも良いでしょう。解説書としては大江英樹さんの『はじめての確定拠出年金投資』山崎元さんの『確定拠出年金の教科書』『シンプルにわかる確定拠出年金』竹川美奈子さんの『一番やさしい! 一番くわしい! 個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)活用入門』田村正之さんの『はじめての確定拠出年金』大江加代さんの『図解 知識ゼロからはじめるiDeCo(個人型確定拠出年金)の入門書』を挙げておきます。









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