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2018年7月19日
S&P500に投資するなら東証上場の「SPDR S&P500 ETF」(1557)も有力な選択肢
最近、米国株への投資が人気を集めています。このため米国の株価指数に連動するインデックスファンドやETFへの関心も高まってきました。米国の株価指数と言えば、日本ではダウ平均が有名でしたが、ここにきて本筋ともいえるS&P500の認知度も高まっています。このためS&P500に連動するインデックスファンドも相次いで登場し、例えば「iFree S&P500インデックス」や「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」などが注目を集めています。そうなると改めて注目していいと思うのが、東京証券取引所にも上場しているETF「SPDR S&P500 ETF」(1557)。とくに配当再投資にはこだわらず、逆に分配金をきちんと受け取りたいという投資家(例えば中高年層やリタイア層)がS&P500に投資する場合、有力な選択肢となるのではないでしょうか。
「SPDR S&P500 ETF」はステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ(SSGA)が運用するETFで、米国ではETFの代名詞的な商品です。純資産残高は2644億ドル(29兆9636億円)と超巨大(2018年7月17日現在)。それこそSSGAのETF事業の屋台骨を支える世界最大級のETFです。しかも米国の証券取引所だけでなく東京証券取引所にも上場しているため、日本でも円建てで購入が可能。もちろん分配金もきちんと円貨で支払われています。
コストの安さも魅力です。総経費率は0.0945%であり、日本で上場している外国株式ETFではトップクラスの安さ。もちろん海外ETFと比較すると、例えば同じS&P500に投資するETFであるブラックロックの「iシェアーズ・コアS&P500ETF」(IVV)(総経費率0.04%)やバンガードの「バンガードS&P500ETF」(VOO)(総経費率0.04%)には見劣りします。しかし、「SPDR S&P500 ETF」は東証上場ETFでもあるので、どの証券会社でも簡単に円建て購入できる。このメリットを軽く見てはいけません。
最近は米国株式投資のためのインフラ整備が進んだことで、海外ETFにアクセスするハードルがだいぶ下がりました。しかし、やはり購入時の外貨購入・振替などそれなりの手間暇がかかります。外貨調達時のコストも無視できません。日本は個人向けの為替手数料が高い。例えばネット証券でも1ドル当たり25銭とかです。つまり購入時のドル転と売却時の円転の往復で1ドル当たり50銭となるわけで、為替手数料率だけで0.5%程度になってしまう。為替手数料を安く抑えようとすると、それこそFX口座からの現引きやネット銀行などの為替手数料割引キャンペーンを活用するなど特殊なテクニックが必要になります。
こうしたことを考慮すると日本人がS&P500に投資する場合、わざわざ海外ETFを使うのではなく、「SPDR S&P500 ETF」(1557)を買うというのはひとつの見識でしょう。いくら海外ETFの方が総経費率が安いといっても、為替手数料がかさんでいるようでは本末転倒です。それよりも国内上場ETFをサクサク買った方が便利。とくに投資初心者や中級者にはそれが当てはまるでしょう。ちなみにETFは通常、売買手数料が必要ですが、カブドットコム証券を使えば「SPDR S&P500 ETF」(1557)を「フリーETF」として売買手数料無料で取引できます。これも隠れたメリットです。
もちろんデメリットもあります。それは分配金に対して米国と日本それぞれで税金が源泉徴収されるという二重課税の問題。しかし、これは海外ETFも同様。面倒ですが確定申告すれば外国税額控除で一部を取り返すことも可能です。また、もうひとつの弱点は東証での出来高が少なく、流動性に若干の不安があることでしょうか。このため購入や売却時にはきちんと指値を入れないと値が飛んでしまう危険性があります。とはいえ、そういったデメリットを考慮しても、やはり「SPDR S&P500 ETF」(1557)には捨てがたい魅力があります。
将来に向けた資産形成に取り組む若年層や壮年層にとっては分配金が定期的に出るETFよりも、ファンド内での配当再投資で複利効果と課税繰り延べ効果を最大化できるインデックス投信(ミューチュアルファンド)を活用することに合理性があります。しかし、ある程度まとまった金額を一括投資し、さらに分配金を定期的に得ることで家計のキャッシュフローを良くするというのも中高年層やリタイア層の投資家にとっては立派な戦略です。そういった人にはETFというのは非常に便利なツールです。そして注目の高まるS&P500に投資するなら、「SPDR S&P500 ETF」(1557)は有力な選択肢として改めて注目されるようになるかもしれません。
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