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2018年6月11日

SBI証券のiDeCoプランに残すべき商品はこれだ―2023年までに商品ラインアップを35本以下に削減へ



2018年5月1日から「確定拠出年金法等の一部を改正する法律」が施行されました。これにより確定拠出年金プランの商品ラインアップは上限35本に制限されることになり、すでにこれを上回る商品数をラインアップしている金融機関は猶予期間である2023年までに商品数を35本以下に削減しなければなりません。私はSBI証券の個人型確定拠出年金(iDeCo)に加入しているのですが、このほど今後の方針についてリリースがありました。

2018年5月の制度改正に対する、当社対応について(SBI証券)

SBI証券のiDeCoプランの商品数は67本ですから、商品数削減は加入者にとって大きな影響があります。そこで独断と偏見でSBI証券のiDeCoプランに残すべき商品を選んでみました。

現在のSBI証券のiDeCoプラン採用商品の中で、最低限残すべき商品として選んだのは以下の通りです。

ファンド名ベンチマーク・参考指数信託報酬(税抜)運用会社
国内株式ファンド
1三井住友・DCつみたてNISA・日本株インデックスファンドTOPIX(配当込み)0.16%三井住友
2DCニッセイ日経225インデックスファンドA日経平均(配当込み)0.169%ニッセイ
3野村DC・JPX日経400ファンドJPX日経400(配当除く)0.25%野村
先進国株式ファンド
4DCニッセイ外国株式インデックスMSCIコクサイ(配当込み)0.189%ニッセイ
5インデックスファンド海外株式ヘッジあり(DC専用)MSCIコクサイ(配当除く・ヘッジ有)0.28%日興
6iFree NYダウ・インデックスNYダウ平均(配当除く)0.225%大和
7EXE₋iグローバル中小型株ファンドFTSEグローバルスモールキャップ(配当除く)0.3304%程度SBI
新興国株式ファンド
8EXE₋i新興国株式ファンドFTSEエマージング(配当除く)0.3794%程度SBI
9三菱UFJ DC新興国株式インデックスファンドMSCIエマージング(配当除く)0.55%三菱UFJ
国内債券ファンド
10三菱UFJ国内債券インデックスファンド(確定拠出年金)NOMURA‐BPI総合0.12%三菱UFJ
先進国債券ファンド
11三井住友・DC外国債券インデックスファンドFTSE世界国債(除く日本)0.21%三井住友
12インデックスファンド海外債券ヘッジあり(DC専用)FTSE世界国債(除く日本・ヘッジ有)0.26%日興
新興国債券ファンド
13三菱UFJ DC新興国債券インデックスファンドJPモルガンGBI-EMグローバル・ダイバーシファイド0.52%三菱UFJ
国内REITファンド
14DCニッセイJ₋REITインデックスファンドA東証REIT指数(配当込み)0.25%ニッセイ
海外REITファンド
15三井住友・DC外国リートインデックスファンドS&P先進国REIT指数(除く日本・配当込み)0.28%以内三井住友
16EXE₋iグローバルREITファンドS&PグローバルREIT指数(含む日本・配当除く)0.3504%程度SBI
バランスファンド
17DCインデックスバランス(株式20)0.17%日興
18DCインデックスバランス(株式40)0.18%日興
19DCインデックスバランス(株式60)0.19%日興
20DCインデックスバランス(株式80)0.20%日興
21iFree8資産バランス0.22%大和
ターゲットイヤーファンド
22セレブライフ・ストーリー0.6771%~0.6951%程度SBI

選択のポイントはずばり、低コストであること、幅広い国産分散投資が可能な商品ラインアップを確保することです。また、原則としてインデックスファンドもしくはETFに投資するパッシブファンド、インデックスファンドやETFを使ったバランスファンドを選んでいます。なぜインデックスファンドやパッシブファンドばかりなのかというと、iDeCoは年金運用ですから一人負してはいけない。最低でも市場平均は確保できるだけの運用益を目指す必要がありますから、基本的にインデックス投資で運用すべきというのが私の考えだからです。

まず国内株式ファンドについては、TOPIX、日経平均、JPX日経400の各指数のインデックスファンドでコストの安いものを選びました。本筋はTOPIXに連動するインデックスファンドを選ぶべきでしょうが、指数の選択は好みの問題もあるので選択肢は残す必要があると思うのです。

先進国株式ファンドもMSCIコクサイに連動するインデックスファンドでコストが安いものを選びました。同時に為替ヘッジ有の選択肢もニーズがあるでしょう。また、NYダウ平均やグローバル中小型株に投資できるファンドはポートフォリオの味付けとして活用できるので、ぜひラインアップに残して欲しいところです。

新興国株式ファンドは非常に選択が難しい。「EXE-i新興国株式ファンド」は比較的低コストですが純粋な意味でのインデックスファンドではなく、指数もFTSEエマージング指数なので韓国を含まないといった特徴があります。このためオーソドックスなMSCIエマージング指数に投資できるインデックスファンドも残すべきでしょう。ただし、「三菱UFJ DC新興国株式インデックスファンド」は信託報酬が最安値というわけではなく、商品としての魅力は乏しくなっています。

先進国債券ファンドと新興国債券ファンドも基本的にコストの安い商品を選んでいます。やはりここでも新興国債券ファンドのラインアップがやや競争力を失っています。ただ、これは新興国債券インデックスファンド全体に当てはまる傾向です。

国内外のREITについては、国内と先進国それぞれで低コストなインデックスファンドを残せばいいでしょう。ただし、やはり「EXE₋iグローバルREITファンド」も残して欲しいところ。REITはあくまでポートフォリの味付けとして使いたいところですから、1本で日本を含む先進国のREITに投資できる簡便性は評価できるからです。

バランスファンドは低コストな日興AMの商品に加えて「iFree8資産バランス」も選んでおきました。新興国株式の部分がMSCIエマージングではなく、ファンダメンタルインデックスであるFTSE RAFIエマージングインデックスなのは好みの分かれるところですが、やはり均等配分というのはそれなりに魅力のある配分だからです。

ターゲットイヤーファンドは、場合によってはデフォルト商品としてのニーズが出てくるでしょうから1本はラインアップに入れておく必要があります。ただし、SBI証券がラインアップしている「セレブライフ・ストーリー」はコストがやや高い。もしデフォルト商品に指定するなら、それこそ最低でも「EXE-i」シリーズ並みのコスト水準にまで引き下げるべきです。

ざっくりと選んだ22本。これだけあれば十分に低コストで幅広い国際分散投資ができるでしょうし、多少はポートフォリオに味付けるような商品選択も可能になります。逆に言うと、ここに挙げたインデックスファンドが削除され、それよりもコストが高い同じ指数に連動するインデックスファンドがラインアップに残るようなことになれば、SBI証券のフィデューシャリーデューティーに大いに疑問が生じることになり、批判されても仕方がないでしょう。

ところで今回はインデックスファンドやパッシブファンドだけを選びましたが、ではアクティブファンドはどうするべきかという問題があります。これに対してはSBI証券が良いと思うものを選べばいい。そもそもアクティブファンドの良し悪しは単純に判断できないからです。今回選んだ商品が22本ですから、これに定期預金2本と保険商品1本を加えて25本となります。商品数上限の35本まであと10本のラインアップが可能ですから、アクティブファンドは10本以内で残す商品を決めればいいです。

いずれにしてもSBI証券は商品ラインアップに再編に際して、できるだけ加入者の利益を尊重することが重要です。インデックスファンドのラインアップの場合、それは低コストな商品を残すということにほかなりません。この辺りはSBI証券もよくよく考えて商品ラインアップの再編を行って欲しいと加入者に1人として強く指摘しておきます。

【ご参考】
iDeCoは金融機関によって手数料や商品ラインアップが異なります。現在、iDeCoプランの選択肢としてお薦めなのは運営管理手数料が無条件無料で低コストインデックスファンドをそろえるSBI証券、楽天証券、マネックス証券、イオン銀行、松井証券です。iDeCoへの加入を検討している人は、これら金融機関のプランを研究することをお勧めします。いずれもネットから無料で資料請求できます。⇒SBI証券確定拠出年金プラン楽天証券確定拠出年金プランイオン銀行確定拠出年金プランマネックス証券確定拠出年金プラン松井証券確定拠出年金プラン



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