先日、ピクテが日本株の先行きに対して強気の見通しを持っているということを紹介しました(日本株には、まだ上昇余地ありか―「iTrust世界株式」の2017年11月の運用成績)。どうも海外の運用関係者の間では、こうした見方が強いようで、今度はブラックロックが同様の見解を示しています。
ブラックロック:18年は日本株優位、収益体質が良化-PER割安感も(ブルームバーグ)
こうした見解が、どこまであてになるのかは分かりませんが、やはり海外の投資家は単純に株価だけを見て割高感を持つような幼稚な相場観は持っていないことは理解できます。
日本株が有望だとされる理由は、米国株などと比べて予想PER(株価収益率)に基づくバリュエーションが比較的割安なままにあることだそうです。その上でブラックロック・ジャパンの福島毅最高投資責任者(CIO)は次のような指摘もしています。
特に注目するのは日本企業の収益体質の強化だ。株主資本利益率(ROE)が改善、「9%に乗ってきており、中でもマージンが改善している。今まではマージンを犠牲にしても量を追っかけてきた。良い意味でのサプライズだ」と福島氏は指摘。小泉政権下の10年ほど前、良好な海外景気を背景にROEが輸出セクターを中心に9%台へ高まったケースはあったが、「今回は内需も外需も良く、来期は1997年以来で最高の10%に近づく可能性が高くなっている」とし、これに伴い、もう少しPERや株価純資産倍率(PBR)が上がっても良いとみている。こうした感覚は、言われてみればその通りで、実際に普通のサラリーマンでも実感できるのでは。例えば私が普段仕事で出入りしている取引先を見ても、この10年で事業構造が大きく変化したところが多い。明らかに収益力が高まっている企業が目立つようになってきました。そして、そうした変化を踏まえてバリュエーションを導き出せば、たしかに日本株の現在の株価水準に関しても、割安とは言えないけれども、決して割高とはいえないように感じます。そこでもう一つ専門家の意見を見てみましょう。
展望2018:株高予想が優勢、年末に日経2万7000円の見方も(ロイター)
やはり市場関係者の多くが日本株に割高感はなく、2018年の見通しも強気です。逆に米国株の方が明らかに割高感が出てきていることから注意が必要とのこと。また、とくに面白かったのが次の部分でした。
株価が上振れるとすれば、鍵を握るのは個人投資家だ。一貫して売り越しの個人が先行きの強気見通しを背景に売り渋るだけで需給はタイトになり、薄商いの中で高値更新という展開があり得る。じつは現在の日本株の下押し要因は個人投資家による売り圧力でした。長らく続いた株価低迷で塩漬けされた株が、ここにきての株価上昇でようやく含み損もなくなり、“やれやれ売り”を誘発していたということです。そして、そうした“やれやれ売り”が一服するだけで相場の需給構造が大きく変わるという指摘は興味深いものがあります。やっぱり、2018年も日本株の見通しは明るいのかな? だとすると嬉しいのですが。
ところで、なぜこんな話題を取り上げたかというと、ひとつは今日がクリスマスだから。せっかくのクリスマス、明るい気持ちで過ごしたいですよね。そんなわけで皆さん、Merry Christmas!
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