サテライトポートフォリオの一部として保有している「ひふみ投信」の第10期がスタートしていますが、2017年11月次運用報告が出たので定例ウオッチです。2017年11月の「ひふみ投信」の騰落率は+3.9%、参考指数であるTOPIX(配当込み)の騰落率は+1.5%でした。再び参考指数を大幅にアウトパフォームし、第10期も好スタートダッシュを切れたと思います。純資産残高は11月30日段階で1046.8億円(前月は955億円)、受益権総口数は21,453,149,599口(前月は20,000,497,455口)でした。ひふみマザーファンドの純資産残高も4,973.1億円(前月は4,330.4億円)となり、順調な資金流入が続いています。
11月は9日に日経平均株価も2万3382円と25年10カ月ぶりにバブル崩壊以降の最高値を更新するなど好調に推移しましたが、その後は達成感による下落や米国の法人税減税についてのネガティブな報道などもあって売られる場面もありました。しかし、市場の押し目買いへの意欲も強く、月中以降は底堅い動きが続きました。こうした中、出遅れていた中小型株が再び息を吹き返したことで「ひふみ投信」にとっては有利な展開となり、結局はTOPIX(配当込み)を大きくアウトパフォームする結果となります。
「ひふみ投信」にとって11月はは“勝ちやすい”相場展開だったわけですが、今後について最高運用責任者である藤野英人さんはやや厳しい見立てをしているようです。ひとつは、これだけ好調な運用成績となったことで、その揺り戻し・調整がある程度はあるであろうこと。そしてもうひとつは、これまで「ひふみ投信」のポートフォリオを牽引してきた半導体関連銘柄に、そろそろ頭打ち感があることです。そうなってくると半導体関連銘柄に関しては、そろそろ出口戦略が意識されるわけです。この点に関して藤野さんは次のように述べています。
現状では、株式の比率も高位にしながら、急騰した銘柄を一部売却し、出遅れた銘柄を買い増しするというファンドの運用における基本姿勢を徹底する一方で、アナリストが調査してきた有望な企業への組み入れも勧めています。前年度(第9期)の運用成績が素晴らしかっただけに、今期は好スタートながらも徐々にデフェンシブなポートフォリオへの組みかをも進めるようです。そして半導体関連に替わって注目なのが建設・土木といった銘柄だとか。この辺りについては月次運用報告書には記載されていませんが、運用報告会「ひふみセミナー」では言及しています。
これからも厳しい運用が続きそうですが、受益者の1人として引き続き頑張って欲しいと思います。
さて、月次運用報告書に先立って発表された中間レポート恒例の組入れ銘柄紹介です。今回は、ルネサスエレクトロニクス(6723)でした。まさに半導体関連銘柄のど真ん中です。とくに自動車向けマイコンで高いシェアを持ちます。自動車は今後、自動運転の登場や安全システムの高度化で車載マイコンへのニーズはますます大きくなることが予想されます。その点で非常に期待の大きな企業だと言えそうです。
【ご参考】
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