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2017年11月10日
日本株上昇には理由がある―ひふみ投信の2017年10月の運用成績
日本株がものすごい勢いで上昇しています。私もかれこれ20くらいは株式相場を見ていますが、これほどの勢いを感じたことは珍しい。それだけに日本の投資家の間では熱狂よりも戸惑いが多いのではないでしょうか。そんな中、サテライトポートフォリオの一部として保有している「ひふみ投信」の2017年10月次運用報告書が出たので定例ウオッチです。「ひふみ投信」の10月の騰落率は+4.9%、参考指数であるTOPIX(配当込み)の騰落率は+5.4%でした。前月に続いて参考指数を若干アンダーパフォームしました。純資産残高は10月31日段階で955億円(前月は868.7億円)、受益権総口数は20,000,497,455口(前月は19,078,850,139口)でした。ひふみマザーファンドの純資産残高も4,330.4億円(前月は3876.5億円)となり、順調な資金流入が続いています。
10月は米国のハリケーン、北朝鮮問題、スペイン・カタルーニャ州独立問題、そして日本の衆議院選挙とそれなりのリスク要因があったのですが、いずれも問題をクリアしたとこで米国の好調なマクロ経済指数、日本の企業業績の好調といった要素が急速に見直され、一気にリスクオンが進んだと言えそうです。相場の上昇が続く中で出遅れていた銘柄への物色も進み、これが投資家の間で「買わないリスク」を顕在化させたようにも思います。
そんな中、ひふみ投信も基準価額は過去最高額となるなど好調な運用となりましたが、どちらかと言うと今回のような上げ相場は大型株中心の動きとなるだけに、中小型株も数多く組み込む「ひふみ」にとっては、マーケット全体についていくことが重要になったようです。こうした中、「ひふみセミナー」の動画を見ていたら、最高運用責任者の藤野英人さんがなかなか興味深い指摘をしていました。これだけの上げ相場にもかかわらず、日本の個人投資家はあまり儲けることができていないとか。
日本の個人投資家から売りが殺到しており、中には空売りまでして、結果的に踏み上げられて大きな損失を抱えている人もいるとか。一方、日本株を積極的に買っているのは外国人投資家。ここになんとも皮肉な現象が起こっているのです。
これに対して藤野さんは、日本人投資家が過去30年に渡って日経平均2万円を上限とするボックス相場に慣らされた影響だと指摘しています。しかし、そこで見落としているのが「企業業績」。ここにきて上方修正が相次いでいます。つまり外国人投資家は実に明快で、単に企業業績の数字だけを見て、バリュエーション的に適正だと思うから買っている。一方、日本人個人投資家は株価だけを見て割高だと思って売っている。さて、「企業業績を見る」のと「株価だけを見る」、どちらが株式投資の姿勢として理があるのでしょか。藤野さんでなくとも、ちょっと残念に思うはず。少なくとも外国人投資家から見えれば、日本株上昇には理由があるのです。
さて、今後の相場動向ですが、個人的には全くの未体験ゾーンに入っていくような気がします。それだけに「ひふみ」の運用がどうなっていくのか興味深いものがある。引き続きウオッチをしていきたいと思います。
さて、月次運用報告書に先立って発表された中間レポート恒例の組入れ銘柄紹介です。今回は、Amazon(AMZN)でした。こちらは説明は不要。EC企業の大巨人です。ただ、興味深いのは「ひふみ」がEC事業だけでなく、クラウドサービスであるAWS(アマゾン・ウェブ・サービス)に高い関心を払っていること。EC事業もすごいけれども、AWSこそ実はAmazonの至宝だと個人的にも感じているので大いに納得。ちなみにAWSのライバルはMicrosoftの「Azure」。そして「ひふみ」はAmazonとMicrosoftの両銘柄を保有しているという点に、どういった成長ストーリーを描いているのかが象徴的に示されているような気がします。
【ご参考】
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また、ひふみ投信と同じマザーファンドに投資する確定拠出年金専用ファンド「ひふみ年金」がSBI証券とイオン銀行の個人型確定拠出年金(iDeCo)プランでラインアップされています。SBI証券とイオン銀行のiDeCoはともに運営管理手数料が無料であり、低コストインデックスファンドをそろえた商品ラインアップも素晴らしく、iDeCoの選択肢として最有力です。こちらもネットから無料で簡単に資料請求できます。⇒SBI証券確定拠出年金プラン、イオン銀行確定拠出年金プラン
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