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2017年3月17日

久しぶりに参考指数を大幅アウトパフォーム―iTrust世界株式の2017年2月の運用成績



少額ながら保有・積立投資しているピクテ投信投資顧問の低コストアクティブファンド「iTrust世界株式」の2017年2月次運用報告が出たので定例ウオッチです。「iTrust世界株式」の2月の騰落率は+2.49%、参考指数であるMSCIワールド・インデックスの騰落率は+1.82%でした。久しぶりに参考指数を大幅にアウトパフォームしています。設定来では大幅にアンダーパフォームした状態が続いていますから、この調子で巻き返しを期待したいところです。

運用報告書によると、2月はトランプ大統領が規制を緩和した税制改革案を発表することを表明したことや1月の米小売売上高が市場予想を上回ったことなどを背景に上昇基調でした。そのほか、欧米の経済指標が堅調な数字となったことも相場が好感したことも相場を押し上げています。セクター別では、ヘルスケアや生活必需品、公益などが市場平均を上回って推移する一方、エネルギーや素材は下落しています。電気通信サービスなども市場平均を下回る上昇にとどまりました。

iTrust世界株式の組入上位10銘柄を見ると1月から大きな変化はありません。1月は参考指数を下回る低調な運用成績となっていたわけですが、その時に割安だった銘柄を仕込むことで2月の好調な成績を実現できたともいえるわけです。このあたりがアクティブ運用の難しいところで、常にベンチマークや参考指数を上回り続けるというのは非現実的な要求です。ある意味で、指数を下回ってでも割安銘柄を仕込む時期というのが必要ということでしょう。やはり相場に“百戦百勝”はあり得ないのです。「iTrust世界株式」の今後の運用に期待したいと思います。

さて、iTrustシリーズの魅力の一つが受益者専用サイト「iInfo」を通じてピクテの機関投資家向けレポートが個人投資家にも配信されることがあります。このほどマンスリーレポート「Barometer」2017年3月号が配信されました。受益者限定の資料なので詳細の紹介は控えますが、米国株は極めて割高水準のためフルアンダーウエイトを推奨しています。一方、景気見通しが改善している太平洋地域株式はニュートラルからオーバーウェイトへと引き上げました。債券は、バリュエーションが割安な水準にある現地通貨建て新興国国債をアンダーウェイトからオーバーウェイトへと引き上げ、欧州の政治情勢に対するヘッジとして米国債をオーバーウェイトからフルオーバーウェイトに引き上げるという判断は、なかなか手堅いと思う。

そのほか、セクター別の評価など面白い情報がたくさんあり、今月号もなかなか読みごたえがありました。特に米国株式はバリュエーションが極めて割高になっているという指摘は重要だと思います。どうも最近、日本の個人投資家の間でも米国株式への関心が高まっていますが、やはり個別銘柄へ投資する場合は、じっくりとバリュエーションを分析した上で投資判断することが重要だと思うからです。

【ご参考】
ピクテ投信投資顧問の「iTrust」シリーズはネット証券を含む販売会社で購入できるほか、「iTrust世界株式」と「iTrust日本株式」は楽天証券のiDeCo(個人型確定拠出年金)プランにもラインアップされています。⇒楽天証券確定拠出年金プラン



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