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2017年2月16日
相場のキャラクター変化で苦戦か―iTrust世界株式の2017年1月の運用成績
少額ですが保有・積立投資しているピクテ投信投資顧問のアクティブファンド「iTrust世界株式」の2017年1月次運用報告が出ましたので定例のウオッチです。iTrust世界株式の1月の騰落率は-1.09%、参考指数であるMSCIワールド・インデックスの騰落率は-0.06%でした。残念ながら1月は参考指数を大きくアンダーパフォームしています。どうも設定開始来、なかなか調子が上がってきません。あくまで個人的な印象ですが、相場のキャラクターが大きく変わる過渡期ではアクティブファンドはパフォーマンスが反転しやすい。これまでパフォーマンスが良かった銘柄が下落し、逆にパフォーマンスが悪かった銘柄が見直されるからです。2015年まで好調が続いていたiTrust世界株式のマザーファンドも、iTrust世界株式が設定された2016年からは不調続きなのは、この辺りに原因がありそうです。やはり昨年は相場のキャラクターが大きく変わる年だったということなのでしょう。
運用報告書によると1月は米国や中国の製造業景況感などの経済指標が市場予想を上回ったことや、米連邦公開市場委員会 (FOMC)の議事録で緩やかな利上げペースが支持されていたことなどが好感され、月初から上昇基調となりました。トランプ大統領の就任後、政策に対する不安感から一時下落したものの、欧米企業の良好な企業決算や経済成長への期待などから月間では上昇しました。ただし為替要因で円ベースでは若干の下落となっています。
セクター別では素材や情報技術、一般消費財・サービスなどは市場平均を上回る上昇率となりましたが、エネルギーや公益、電気通信 サービスなどは下落しています。iTrust世界株式の組入れ上位銘柄を見ると前月から大きな変化はなく、とりあえずは様子見の展開ということでしょうか。大胆にポートフォリオを組み替えて指数を上回ることを目指すのか、あるいはここでじっくりと優良銘柄の仕込みに徹するのか。この辺りにアクティブ運用におけるファンドマネジャーの腕の見せ所があると思います。
どちらにしろ初年度のパフォーマンスは冴えない形で終わりそうですから、ここは切り替えて、じっくりと割安になっている優良銘柄の仕込みに力を入れて欲しいというのが個人的な感想。もともとiTrust世界株式は「中長期的に見ると、グローバル優良企業は「豊富な資金力」、「優れた開発力」、「価格競争力」、「ブランド力」、「マーケティング力」の5つの成長力を持ち合わせていると考えられ、他の 企業群を上回る利益成長が期待できる」との考えから、そういった銘柄を保有することで中長期的に市場平均を上回るリターンを確保しようというコンセプトのファンドです。だから受益者も短期的なパフォーマンスに一喜一憂せずに、中長期的な視点から評価するべきなのかもしれません。
さて、iTrustシリーズの魅力の一つが受益者専用サイト「iInfo」を通じてピクテの機関投資家向けレポートが個人投資家にも配信されることがあります。このほどマンスリーレポート「Barometer」2017年2月号と合わせて、マクロ経済データ集「Global Macro Watch」の最新版が配信されました。今回も20ページにわたるものですが、これが非常に便利。とくに世界の金利動向と資源価格のデータにかなりの紙数を割いているところに、現在のマーケットを見るポイントがどこにあるのかがよく分かりました。
なんだか最近は、ほとんど「iInfo」を利用するためにiTrust世界株式を保有しているような状態になってきましたが、これもまた信託報酬に見合う付加価値・サービスです。というよりも、こういった付加価値・サービスが提供されないなら、アクティブファンドを保有する意味はないとさえ考えています。
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