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2017年1月30日

株価情報はサラリーマンにとって手頃な世間話のネタなのです



インデックス投資に限らず長期投資を志向する人は、あまり日々の相場の動きに一喜一憂すべきではありません。だから毎日のように株価情報を見るべきではないのです。ところが私は毎日のように相場状況を見ています。なぜかというと、ひとつは私が個人的に相場が好きだというのがあるのですが、やはりサラリーマンにとって株価情報というのはビジネス上の手頃な世間話ネタだからです。

日本では株式投資が一般に普及しているかと言えば、必ずしもそうではないので、日常生活の中で株価情報について盛んに発言していると、なんとなく"胡散臭い人"に思われてしまう。ところがビジネスの世界だと、やや状況が変わってきます。私は仕事の関係で上場企業のトップや幹部と面会する機会が多いのですが、やっぱり企業の経営者や幹部層というのは自社の株価を中心に、相場の状態をとても気にしているものです。

だから、株価というのはとても盛り上がる世間話のネタです。株価が上昇していれば「いやー、貴社の株価が絶好調ですね」と言い、低迷していれば「貴社の実力はこんなものじゃない。PBRも1倍以下ですから、割安ですよね。お金があったら買いたいくらいです」なんて言うと、社交辞令だとは分かっていても、だいたいの人は喜んでくれる。でも、これは当たり前の話で、いいか悪いかは別にして、やっぱり株価というのは企業経営者にとっては自分の通信簿なのです。少なくとも、そこに気を留めてもらえるだけでも悪い気はしないということでしょう。

また、株価だけでなく相場付きや経済情勢について識者の意見を交えながら簡単な批評を加えて話すと、さらにポイントがアップします。上手くいけば、「コイツ、なかなか経済に明るいな」と思われて評価が高まることも。興が乗ってくれば、相手の方からかなり突っ込んだ話をしてくる場合があり、そうなるとさすが実際の経営者や企業幹部は立派なもので、百凡のアナリストの見解をはるかに超えるような分析を開陳してくれたりします。そういう話を聞くのは楽しいし、勉強にもなる。

やっぱりサラリーマンたるもの、株価や相場、そして世界経済についての話題がなければ、ビジネストークができないのです。だから、株価や世界経済についての知識というのは、サラリーマンにとっての一種の教養といえるでしょう。サラリーマンとしてキャリアを重ねていき、だんだんとポジションが高まってくると、ビジネス上で会う人のポジションも上昇してきますから、こういった教養の必要性は一段と高まるのです。

だから、投資金額の多寡やスタイルに関わらず、やっぱりサラリーマンは日々の株価や経済情勢についてチェックした方がいい。それは投資で儲けることが目的ではなく、仕事上で自分の人的資本を高める行為でもあるのです。

ただし、注意点がひとつ。企業経営者や幹部に対して「デイトレードをやってます」とか「やっぱ株は短期売買や空売りしないと儲からないです」といった発言はご法度。彼らは短期売買で利ザヤを抜く人や、売り仕掛けで儲けようとする人を心底憎んでいますから。「株を買うというのは、その企業を応援するという意味がある。やっぱり長期保有が基本ですよ」と言っておきましょう。短期売買と長期保有とは、どちらが有利、不利ということはないけれども、少なくともサラリーマンのビジネストークのネタとしては、圧倒的に長期保有の方がメリットは大きいのです。



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