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2015年1月11日

確定拠出年金は資産形成の有力ツール

現在、資産形成のもう一つのコアとして活用しているのが個人型確定拠出年金です。私のように零細企業に勤めていると、年金は1階部分の国民年金、2階部分の厚生年金までしかなく、3階部分の企業年金や厚生年金基金がありません。そこで個人型確定拠出年金に入っています。

個人型確定拠出年金は、国民年金しか入っていない1号被保険者や、厚生年金に加入している2号被保険者で企業年金や厚生年金基金に加入していない人が使える制度として、早くから注目されていました。私がとくにこの制度の優位性を知ったのは、竹川美奈子さんの金融機関がぜったい教えたくない 年利15%でふやす資産運用術を読んだからです(しかし、すごいタイトルですね)。


個人型確定拠出年金は、運用管理費など手数料がやや割高ですが、一般には販売されていない低コストのインデックスファンドが多く用意されており、さらに拠出金(1号被保険者なら月額68000円、2号被保険者なら月額23000円)全額が所得控除されます。つまり、サラリーマンでも年額276000円(23000円×12カ月)が所得控除されますから、所得税+住民税=15%として41400円も税金が安くなるわけです。これは大きいです。所得の多い人なら、税率に応じてもっと節税効果は大きくなります。さらに、運用期間中の利益も非課税ですから、複利のメリットを最大限生かすことができます。

もちろんデメリット・リスクもあります。まず、60歳まで原則引出不可であること。しかし、これは別の見方をすれば強制的に長期運用を余儀なくされるわけですから、かえってメリットかもしれません。それと、特別法人税の問題もあります。しかし、トータルで判断すれば資産運用の有力なツールといえるでしょう。

ただ、注意しないといけないのは、運営管理機関(銀行、証券会社、保険会社など)によって管理費用が一様でなく、提供される運用商品も異なること。ですから、いかに低コストのファンドをラインアップしている運営管理機関を探すかが大事です。ここで大活躍したのがインデックス投資ブロガーさんたちによるものすごい共同調査でした(その成果は、私も大変参考にしました)。

最終的に個人にとって有利な運営管理機関は、SBI証券、スルガ銀行、野村證券(+琉球銀行)というのが定説です。運営管理費の安さならSBI証券とスルガ銀行、低コストファンドのラインアップなら野村證券ということになります。ちなみ、私は琉球銀行で拠出積立を行っています。私が拠出を始めたころは、まだ野村證券は低コストファンドのラインアップを拡充する前でした。いまなら同じ商品を野村證券で買えるので、運営管理費が少し安い野村證券を選ぶでしょう。

【追記】
現在はSBI証券、楽天証券、マネックス証券、イオン銀行、松井証券のiDeCoプランがいずれも運営管理手数料が無条件無料で低コストインデックスファンドをそろえています。iDeCoへの加入を検討している人は、これら金融機関のプランも研究することをお勧めします。いずれもネットから無料で資料請求できます。⇒SBI証券確定拠出年金プラン楽天証券確定拠出年金プランイオン銀行確定拠出年金プランマネックス証券確定拠出年金プラン松井証券確定拠出年金プラン

最近、政府与党が平成27年度税制改正大綱を発表しましたが、確定拠出年金加入資格を主婦や公務員にまで一気に広げる案が出てきました。恐らく従来の確定給付型公的年金(国民年金、厚生年金、公務員共済年金など)は現在の金利政策(例えば今後ありうる金融抑圧など)や人口動態(少子高齢化)によって縮小ぜざるを得ませんから、その代替措置としてこういった案が出てきた可能性があります。

もう老後のことは国にお任せという時代ではなくなってきました。だったら、いまのうちからしっかりとした資産運用手法を実地で勉強した方がいい。確定拠出年金は、そういった投資教育の面でも意味のある制度だと考えています。

確定拠出年金については、岡本和久さんの自分でやさしく殖やせる 「確定拠出年金」最良の運用術も非常に参考になりました。




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