ラベル 7.BookReview の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 7.BookReview の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
2018年4月30日

日本でもパーソナル・ファイナンス教育が必要だ



日経新聞(電子版)にちょっと気になる記事が載っていました。金融ベンチャーがアンケート調査したところ、日本の20代から30代前半の若者のうち、93%が「自身の金融リテラシーは高くない」と回答したそうです。

金融リテラシー、若者の9割「高くない」(「日本経済新聞」電子版)

さもありなんと思いました。ただ、若者を「不勉強だ」「意識が低い」と批判してはいけないと思う。なぜなら、私も含めて戦後の日本人は、金融リテラシーに関するまともな教育を受けていないのだから。やはり日本でもパーソナル・ファイナンス(個人・消費者としての金融)に関する教育が必要だと強く思うのです。
2018年4月22日

投資初心者が求めているのは実体験のリアリティ



4月21日に金融庁主催の「つみたてNISAフェスティバル2018」が東京で開催されました。私は大阪在住なのでさすがに参加できませんでしたが、参加したブロガーさんによるTwitterでの実況で楽しむことができました。どの内容も興味深かったのですが、とくに印象的だったのが「はじめての投資!おススメの一冊ベスト10」です(私も投票しました)。結果を見て一番感じたのは、投資初心者が求めているのは理論だけでなく「実体験のリアリティ」だということです。
2018年3月29日

金融庁の「はじめての投資!おススメの一冊」募集企画に推薦したのはこの3冊



以前にブログでも紹介したが、金融庁が募集している「はじめての投資!おススメの一冊」に応募しました。1人3冊まで応募できるのですが、なかなか選ぶのが難しい。マニアックな本を選んでも初心者には向かないだろうし、かといってあまりに簡単すぎるものも味気ない。いろいろ悩みながら、3冊を選んでみました。選択基準は、投資だけでなく「資産形成・資産運用」を総合的に学べる本、インデックス投資の実戦的な入門書、そして“ちょっと本格的に勉強したい”という人向けの基本文献です。
2018年3月24日

『ETF(上場投資信託)まるわかり! 徹底活用術2018』にコメントが掲載されました



このほど刊行された東京証券取引所監修のムック本『ETF(上場投資信託)まるわかり! 徹底活用術2018』に私のコメントが半ページにわたって掲載されました。最近はインデックスファンドを中心に通常の投資信託の低コスト化が急速に進んだことで、やや存在感が薄くなっているETFですが、個人投資家が低コストで国際分散投資に活用できる便利な金融商品としての可能性は色あせていません。本書は、そんなETFのことを簡便に理解できる面白い本に仕上がっています。
2018年3月15日

金融庁が「はじめての投資!おススメの一冊」を募集



なにげなくtwitterのタイムラインを眺めていたら、金融庁の今井さん(imaima)が面白いツイートをしていました。金融庁が「はじめての投資!おススメの一冊」を募集するそうです。これはなかなか興味深い。ぜひ応募したいし、募集結果がどうなるのかもとても気になります。
2018年3月12日

『孔子伝』―喪われた思想の可能性について



前回の記事で『君たちはどう生きるか』を紹介したついでに、学生時代に呼んで今も定期的に読みかえしてしまう本について少し紹介しようと思います。誰しも人生の中で繰り返し何度も読みかえしてしまう本というものがあるはず。私の場合、そういった本のひとつが白川静先生の『孔子伝』です。孔子とは何者なのか、「儒」とは何か。白川先生の徹底した資料吟味と構想力が畏るべき孔子像と儒教解釈を示し、その深淵には読むたびに圧倒されます。
2018年3月11日

『君たちはどう生きるか』―社会科学的認識と資本論入門



『漫画 君たちはどう生きるか』が販売累計200万部を突破したそうです。

漫画「君たちはどう生きるか」 累計200万部突破 出版業界に活気(産経デジタル)

ニュースを読んで、猛烈に懐かしくなりました。私は漫画版の方は未読ですが、原作の吉野源三郎『君たちはどう生きるか』には、いろいろと思い出があるからです。そして、漫画版が200万部を突破したと聞いても全く驚きません。それほどこの本が名著だからです。この本から社会科学的認識というものを学んだ気がするし、後になって気づいたのは、やはりこれが優れた“資本論入門”だったということです。そこで少し思い出話を交えながらブログでも紹介したくなりました。
2018年2月14日

『図解 知識ゼロからはじめるiDeCo(個人型確定拠出年金)の入門書』―ありそうでなかったiDeCoのトリセツ



2017年から加入対象者が大幅に拡大された個人型確定拠出年金(iDeCo)。上手く活用すれば最強の“じぶん年金”となる国の制度としてジワジワと加入者が増加しています。一方、iDeCoは制度がやや複雑なうえに手続きも煩雑。これが加入のハードルとなっている面もぬぐえません。そうしたまったくの初心者を対象とした懇切丁寧な入門書が、大江加代さんの『図解 知識ゼロからはじめるiDeCo(個人型確定拠出年金)の入門書』。とくに手続き書類の記入方法まで詳細に解説しているところは本書の最大の特徴でしょう。ありそうでなかったiDeCoのトリセツ(取扱説明書)です。
2018年2月13日

『お金の常識を知らないまま社会人になってしまった人へ』―高校生や大学生にも読んでもらいたい先輩からのメッセージ



日本では「お金」に対して本質的な問いを忌避する傾向が強く、大人になってからも「お金は汚いものだ」と公言する人が少なくありません。その結果、お金に関する教育が貧困なまま放置され、マネーリテラシーを欠いた状態で社会人となってしまうケースが多い。そんな若い人に向けた人生の先輩からのメッセージともいえる1冊が大江英樹さんの新著『お金の常識を知らないまま社会人になってしまった人へ』です。若い社会人だけでなけでなく、高校生や大学生にも読んでもらいたい温かさあふれる本です。
2018年1月29日

FXなど通貨取引が個人投資家の資産形成に適さない理由(附・参考図書紹介)



あいかわらず仮想通貨が話題ですが、こうした景色を見ていると仮想通貨に限らず通常のFXなども含めて「ほんと、日本人は通貨取引が好きなのだなぁ」と思ってしまいます。いまだに「投資をしている」とかいうと「FXですか?」と聞かれることがありますから。しかし、FXなど通貨取引こそ個人投資家の資産形成には最も適さないというのが私の考え。なぜなら、そもそも通貨取引(交換)は「投資」ですらないからです。
2018年1月8日

明治維新150年に“積み立て投資”維新を起こせ―渋沢栄一の合本主義に学ぶ



2018年は明治維新150年となる節目の年です。これに関してコモンズ投信の渋澤健会長が興味深いエッセーを書いていました。

維新150年 節目を「つみたて元年」に(NIKKEI STYLE)

渋澤会長は、これから銀行など金融機関のビジネスモデル転換が起こる可能性を指摘しているのですが、そのチャンスとなるのが今年からスタートした「つみたてNISA」です。これはまさにその通りで、私も今後の金融機関(とくに地方金融機関)の生き残る道は積み立て投資の普及によるリスク性預かり資産の拡大と、そこからの(焼き畑農業的なボッタクリでない)安定的なフィー拡大しかありえないと思います。いま必要なのは“積み立て投資”維新なのです。
2017年12月26日

「週刊東洋経済」の表紙が安彦良和!



毎年、この時期になると経済誌は年末年始合併号として翌年の経済大予想企画を特集します。私の場合、いつも買ったり買わなかったりなのですが、今年の「週刊東洋経済」2017年12月30日・2018年1月6日合併号を見てビックリ。なんと表紙が安彦良和によるイラストです。表紙につられて思わず買っちゃいました。
2017年12月24日

『チャールズ・エリスのインデックス投資入門』―余は如何にしてインデックス投資家となりし乎



インデックス投資に関する基本文献のひとつである『敗者のゲーム』の著者による『チャールズ・エリスのインデックス投資入門』の翻訳がこのほど刊行されました。さっそく読んでみたのですが、じつに引き込まれてしまいました。これまで著者が主張してきたインデックス投資の有効性についての概説書というだけではなく、チャールズ・エリスという人物がどのようにしてインデックス投資の有効性について開眼するかという遍歴がリアルに記述されているのです。ですからこれはインデックス投資の入門書というよりは、エリス氏による「余は如何にしてインデックス投資家となりし乎」であり、それが読むものを引き込まずにはいられません。
2017年12月19日

『ご円満に。お金に困らない・お金でモメない生活設計術』―信頼できる大阪のオバチャン的リアリズム



労働組合でお世話になった独立系FPの松本真由美さんが著書『ご円満に。お金に困らない・お金でモメない生活設計術』を刊行しています。これがなかなか素晴らしい本でした。実際にFPとして数多くの家計相談をこなしてきた著者ならではの“現場の匂い”が濃厚な1冊なのです。家計管理のイロハから、住宅ローン、生命保険、老後資金、そして貯蓄と投資までトータルで学べる内容になっています。しかも、内容がとことん実戦的。ここに評論家とはまったく異なる、現場のFPならでは視点があります。
2017年12月12日

『お金は寝かせて増やしなさい』―投資の本質を捉えた「インデックス投資原論」



インデックス投資ブロガーの第一人者である水瀬ケンイチさんの初の単著『お金は寝かせて増やしなさい』が刊行されました。さっそく読んでみたのですが、一読して驚きました。漫画が挿入されたり、分かりやすい記述は見事な「インデックス投資入門」に仕上がっているのですが、この本の値打ちはそれ以上のものだと感じたからです。それは投資の本質を捉えた解説がなされていること。つまり、本書は単なる「インデックス投資概論」ではなく、実に硬派な「インデックス投資原論」となっているのです。
2017年6月25日

「投資の鉄人」トークイベントに参加しました―生活者としての常識を鍛えよう



先日、梅田・蔦屋書店で開かれた「資産運用で大切な4つのこと」『投資の鉄人』著者4人によるトークイベント&サイン会に行ってきました。岡本和久さん、馬渕治好さん、竹川美奈子さん、大江英樹さんという“投資の鉄人”が、個人投資家を惑わす「情報」「相場」「商品」「自分」という4つの罠について語ってくました。とはいえ、投資の鉄人が強調しているのは何も難しいことではなりません。共通するのは、「生活者としての健全な常識を鍛えろ」ということでしょう。
2017年6月5日

『投資レジェンドが教える ヤバい会社 』―藤野さんの運用哲学の実際が分かる珍本



「ひふみ投信」で人気のレオス・キャピタルワークスの藤野英人社長の新刊『投資レジェンドが教える ヤバい会社』が日経ビジネス人文庫から出ました。旧著『儲かる会社、つぶれる会社の法則』の文庫化ですが、約90ページ加筆・修正されているので、増補改訂版として内容も一新されています。このての本は“トンデモ本”が多いのですが、そこは藤野さんらしく微妙なバランスが取れていて、「ひふみ投信」などで実践している運用哲学の実際が分かる珍本と言えそうです。
2017年4月24日

『捨てられる銀行2 非産運用』―金融庁の資産運用改革は何を目指しているのか



現在、金融庁は森信親長官の特異なリーダーシップによって金融行政の大転換を進めています。その狙いは2015年9月に発表された「金融行政方針」の中で謳われた「企業・経済の持続的成長と安定的な資産形成」という言葉に示されています。このうち前半の「企業・経済の持続的成長」のために金融庁が銀行の融資業務の在り方に大変革を求めている実態を紹介し、ベストセラーとなった『捨てられる銀行』の著者が、今度はもうひとつのテーマである「安定的な資産形成」に向けて金融庁が何を考え、金融業界にどういった方向性への自己変革を求めているのかを詳細にレポートした『捨てられる銀行2 非産運用』がこのほど刊行されました。新書という簡便な本ながら、取材源にはかなり金融庁の中枢が含まれていると推測できる内容であり、ある意味で金融庁が何を考え、何を目指しているのかということが非常によく分かる1冊です。
2016年12月16日

『はじめての確定拠出年金』―ノウハウ本を超えた優れた制度論的解説書



これまで確定拠出年金についていくつかの書籍を紹介してきましたが、簡便でありながら本格的という意味でお薦めなのが田村正之さんの『はじめての確定拠出年金 』です。本書の特徴は、新書版というコンパクトな体裁ながら、やはり新書という性質上、ノウハウ本を超えた制度論的解説を含んでいることです。このため内容的に最も教養書的価値が高く、そもそも確定拠出年金とは何なのかという制度全体の建て付けを視野に入れた解説がなされていることに特長があります。著者である田村正之さんは日本経済新聞の解説委員として紙面でもおなじみの存在ですが、経済記者でありながら証券アナリスト(CMA)やCFP(上級ファイナンシャルプランナー)認定、1級FP技能士の資格を持つだけに、経済ジャーナリストとしての視点と金融アドバイザーとしての視点が併存しており、それが本書の独特の魅力になっているのです。
2016年11月30日

『公的・企業年金運用会社の元社長が教える波乱相場を〈黄金のシナリオ〉に変える資産運用法 かんたんすぎてすみません。』―これから投資を始めようとする人は必読



いよいよ冬のボーナス支給の時期ですね。なんとなく相場もお祭り気分なので、ボーナスを種銭に投資でも始めようかと考えている人も少なくないかもしれません。投資を始めるにあたって、いろいろと本を読んだりして勉強をスタートするケースも多いでしょう。その場合、投資については初心者だけれども、真面目に長期投資に挑戦しようと考えている人にぜひ読んでもらいたい1冊が岡本和久さんの『公的・企業年金運用会社の元社長が教える波乱相場を〈黄金のシナリオ〉に変える資産運用法 かんたんすぎてすみません。』です。投資入門書はいろいろとありますが、そもそも「資産運用とは何か」「投資とは何か」という原理原則から実践的な技術と心構えまで総合的に教えてくれるのがこの本なのです。まさに資産運用・投資の王道中の王道を説いた本で、ここに書いてることを理解すれば、こと長期投資については完全に初心者卒業でしょう。あとは実践あるのみとなる素晴らしい本なのです。

関連コンテンツ