2016年11月29日

労働組合でFPを招いて金融リテラシー向上セミナーを開きます



私は勤務先企業の労働組合で執行委員をやっているのですが、それ以外にも同業者の各単組と結成する協議会団体の代表幹事も3年前から務めています。協議会団体では各単組で行う労使交渉の支援や情報交換、労働条件の統一交渉など本来の労働運動・闘争ほか、毎年12月の総会の時に外部から講師を招いて勉強会を開いています。いつもは労働問題や経営問題をテーマにすることが多いのですが、今回は私の発案で独立系ファイナンシャル・プランナーを招いて金融リテラシー向上のためのセミナーを開くことにしました。労働運動が大切だからこそ、同時に労働者は家計段階で足元をガッチリと固めることが闘争を戦い抜くために欠かせないと感じているからです。
2016年11月27日

ポートフォリオのリバランスが必要な本当の理由



以前にポートフォリオのリバランスを行うことでリターンが向上する可能性があるという「リバランス・ボーナス」について書いたところ、予想以上に多くのPVをいただきました。

やっぱり”リバランス”は大切だよ

ただ、ちょっと誤解を招く書き方だったことを反省しています。確かに異なる値動きの各資産のウエートを目標とする配分に調整するリバランスには「リバランス・ボーナス」を狙えるという効果があるのですが、それはリバランスの本来の目的ではないからです。リバランスが必要な本当の理由は、あくまでポートフォリオのリスク量を目標とする枠内に収めるためだということを強調しておきたいと思います。
2016年11月26日

GPIFの2016年7~9月の運用成績は2.4兆円のプラス―粛々とリバランスしているのが見事



定例の年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)ウオッチです。2016年第2四半期(7~9月)の帳簿上の運用益は+2兆3746億円、期間収益率は+1.84%でした。

平成28年度第2四半期運用状況(GPIF)

3四半期ぶりにプラス収益となりましたが、例によってプラス収益だとマスメディアの扱いも小さいので、せめてこんな小さなブログの中だけでも特筆しておきたいと思います。GPIFのような年金基金というのは、いわばインデックス運用による長期・国際分散投資のプロとでもいうべき存在ですが、あいかわらず見事な運用を行っています。収益がプラスになっているから凄いのではありません。セオリー通りに粛々とリバランスしていることが見事なのです。
2016年11月25日

“トランプ・ラリー”の影響は強烈―今月の積立投資(2016年11月特定口座)



ドナルド・トランプ氏が次期大統領に当選してから、文字通り“トランプ・ラリー”が続いています。円安まで加わり、日本で国際分散投資をしている人のポートフォリオへの影響は強烈です。驚いたことに、あれだけあった含み損が、ほとんどプラ転してしまいました。ただ、これだけ相場の上げが急だとかえって怖いです。山高ければ谷深しですから。とりあえず今月も淡々といつも通りの積立を実行するだけにしています。
2016年11月24日

公的年金について“損得勘定”で論じることから卒業したい



公的年金制度について議論すると、すぐに「現役世代は損をしている」といった発言が飛び出し、なかには「自分で運用して老後に備えるから、これまで徴収した保険料を返して公的年金制度を廃止しろ」といった頭の悪い暴論まで口にする人がいます。こういった議論は、ほとんどが年金制度を“損得勘定”で考えているからのですが、これが大きな勘違いなのです。そういう誤解を解きほぐす意味で、山崎俊輔さんが素晴らしい論考を書いていました。

損得論にサヨナラ 年金は「終身給付」に真価(NIKKEI STYLE)
年金は若い世代に不公平か 実は団塊世代より恩恵?(同)

まったくこの通りで、いろいろと問題はあるにしろ、やはり公的年金制度には偉大な意義があるのです。それは“相互扶助”という保険の大切な機能にほかなりません。公的年金に対して不満があって、いろいろと議論することは素晴らしいことですが、その前提として、そろそろ“損得勘定”で論じることからは卒業しなければならないのです。
2016年11月23日

『211年の歴史が生んだピクテ式投資セオリー』―プライベートバンクの資産運用とは何か



プライベートバンクでの資産運用といえば、何か富裕層だけに提供されるものすごい投資が行われているように誤解されがちです。そういった幻想が、ある意味で投資詐欺などの温床にもなているわけです。しかし、実際のプライベートバンクでの運用とは、恐ろしく地味なものだということを教えていくれる1冊が、このほど刊行された萩野琢英さんの著書『211年の歴史が生んだ ピクテ式投資セオリー』。プライベートバンクに対し幻想を持っている人が読めば、ある意味で目からウロコでしょう。なぜなら、プライベートバンクの資産運用とは、そもそも“儲ける”ことが目的ではないということが分かるからです。

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